売掛け(うりかけ)
「売掛け」とは「売り手が代金後払いを了承して先に商品を売却し渡す事」です。売り手としては手元に商品と代金がない状態なので、月末など支払い時期には必ず「売掛金」を回収する必要があります。買い手としてはお金がなくても先に商品が手に入るメリットがあり、最近はアパレル業界などがクレジット払いとはまた違った「後払い」を導入して話題を呼んでいます。
売掛けの意味とは
「売掛け」の意味は以下の通りとなります。
(1)企業や個人事業主などが代金は後から受け取る約束で商品を売却する事。
(2)簿記・会計や商業の経済用語で、後払いの約束で商品を先に売る事。
(3)「売掛」「売り掛け」とも書き、「掛金」「掛け売り」も同義。
”売”は「品物を渡して代価を得る」、”掛け”は「売り値に対する卸値」「掛け売り・掛け買い・売掛・買掛の略」で、代金を受け取る前に商品を売却するのが「売掛け」です。買い手は代金が後払いで商品が先に手に入り、売り手としては代金はまだ未収で商品だけ手放す状態なので一見すると売り手の方が損に思えますが、売り手としても売却の度に現金や領収書を受け渡すのは面倒で、何よりも在庫を抱えたくない商売なら一刻も早く売却したいので一概に損とは言えません。何よりも後から払いである「売掛け」は商取引の歴史を振り返っても十分根付いた、云わば常識であり文化なのです。双方の信頼関係があるから成り立ち、だから先に商品を渡して後から代金を回収するのです。しかし、リスクを抱えるのは事実で、例えば買い手の企業や個人が倒産や夜逃げをしたら「売掛け」で売却した商品代金を全額回収するのは難しくなる「貸し倒れ」が起こってしまいます。従って、いくら「売掛け」が商取引の歴史で根付いているとはいえ、新規取引では「掛け取引」をしないで「現金取引」のみとする場合も多いです。また、「売掛け」をする側は買い手企業の登記簿などを確認し、信用できる相手なのか見極める必要があります。最近ではホストクラブに嵌まった女性客が「売掛け金支払い」でトラブルになる事も多く、弁護士などへの相談が相次いでいます。
売掛けの由来
「売掛け」や「買掛け」という商取引が始まったのは江戸時代からとされ、当時はお盆と年末の年2度払いが当たり前でした。しかし、その時期になると回収をするのに骨が折れるので徐々に現在のような月末や翌月末に支払うという形になっていきます。
売掛けの文章・例文
例文1.ネットで商品をクレジットカードで購入するのも売掛けのようなものだ。
例文2.売掛け金で店とトラブルになると、怪しい事件屋や整理屋が出てきてさらに面倒事になる恐れもあるので注意をしなくてはならない。
例文3.不景気なので世の中は売掛け金が焦げ付いたケースが山のようにあるのだろう。
例文4.日曜の昼頃、自宅でテレビを観ていたら急に玄関を強くノックされ、「○○さーん、売掛け金の回収に来ましたよー」と大声で叫ばれ、怖さで震えたが冷静になると自分ではないと気が付き、玄関に出てお隣ですよと説明して帰ってもらった。
例文5.ホスト店はお金がない客でも売掛けで遊ばせ、後からエグイ方法で回収し地獄に落とす方法をする。
「売掛け」を使った例文となります。
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売掛けの会話例
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それで、お店の方は調子がいいの?
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念願のカフェをオープンして半年ぐらいだけど、何人かの常連客の売掛け金回収が大変で嫌になる。一応は払ってくれているけど、今更ツケ払いを禁止にして来なくなるのも困るし…、あーもう胃が痛くなる。
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ちょっと待って。カフェのお客でツケ払いにする人がいるの? 本当に?
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毎回払うのは面倒だって、月末にまとめて払うのよ。でも月末に来ないと連絡したりするでしょう。それが嫌なのよ。
カフェ経営者である知人女性が「売掛け」の愚痴を吐露しています。
売掛けの類義語
「売掛け」の類義語には、「未収金」「ツケ払い」「売掛金」「売掛代金」などの言葉が挙げられます。
売掛けの対義語
「売掛け」の対義語には、「買掛け」「買掛金」「借入」「借金」「債務」などの言葉が挙げられます。
売掛けまとめ
「売掛け」は企業や商店が代金を月末など後日に回収するとして商品を先に売る事で、その代金が「売掛金」となります。反対に買い手であり商品を先に手にして後から支払うのが「買掛け」で、その代金は「買掛金」となります。