大なり小なり(だいなりしょうなり)
「大なり小なり」を口癖の様に使ってしまう人が、あなたの周囲にも居ませんか? 個数やサイズなどを大まかでも会話が成立するので便利で重宝できる言葉なんですよね。一方で、数学で習う「不等号」という側面があったりもします。「ちょっと待って、不等号って何」と感じる人もいるでしょうから、その辺りも含めて解説に入らせて頂きます。
大なり小なりの意味とは
「大なり小なり」の意味は以下の通りとなります。
(1)大きくても小さくても。多かれ少なかれ。ともかく。
(2)数や大きさなど物事に多少の違いはあっても本質的に違いはない。
(3)二つの数や式の間に挟み大小関係を「>」「<」「≧」「≦」といった数学記号「不等号」で表し、「>」は「大なり」、「<」は「小なり」と読む。
「大なり小なり」は端的に言うなら、多少の違いは問題なし、許容範囲に入るといったある種の感覚的な言葉です。例えば、「大なり小なり、誰でも悪い部分はある」となると、「どんな人でも少しぐらいは悪い部分を持ち合わせている」となり、よって「悪人は当然ながら善人も少しぐらい悪い部分がある」と解釈できます。また、厳密には違うのですが、「大なり小なり」は数学で習う「不等号」とも何かと一緒に取り扱われます。まず「等号(=、イコール)」とは、二つの式や数の間に入れて双方が等しい事です。それを否定する「不等号」なので、式や数が等しくない状態でそれを示す記号が「>」「<」「≧」「≦」等となります。「>」は「大なり」、「<」は「小なり」、「A>B」は「A大なりB」、「A≦B」は「A小なりイコールB」と読みます。この不等号独特の読み方もあり、「大なり小なり」という言葉とも関連させて一緒に紹介される場合が多々あります。
大なり小なりの由来
「大なり小なり」の由来は不明です。数学の不等号から派生したという説もあれば、言葉としての「大なり小なり」が先という説もあり、詳細は謎のままです。文献としては、江戸時代前期の俳諧集「沙金袋」(1657年)に文言が記されています。
大なり小なりの文章・例文
例文1.大なり小なり、誰もが自分勝手で欲望のままに生きているのが人間である。
例文2.友人と議論になると、最後は「大なり小なり~」という決まり文句によって一向に解決しないグダグダで終わってしまう。
例文3.世界中の国々は、大なり小なりアメリカの言いなりであるのに変わりはない。
例文4.大なり小なり、人間は苦労する為に生きているだけだ。
例文5.どんなに美男美女でも、若い時期を過ぎれば大なり小なり老いや病気に苦しみ、最後は骨と塵になり朽ちる。
「大なり小なり」はあまりポジティブな言葉ではないので、やや斜めから見た例文パターンとなります。
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大なり小なりの会話例
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お弁当買ってきてくれたんだ。助かるよ、ありがとう。
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それが先輩、買ってくるお弁当間違えました。ごめんなさい。
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いいよいいよ。どんな物でも腹が膨れれば、大なり小なり全部一緒。
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そう言って頂けると助かります。次は間違えないので。
職場のお昼休憩にて、男性社員が頼んだ弁当を女性社員が間違って購入したという会話です。
大なり小なりの類義語
「大なり小なり」の類義語には、「程度の差はあっても」「幾許かは」「多少の違い」などの言葉が挙げられます。
大なり小なりまとめ
「大なり小なり」は、多かれ少なかれといった言葉と同義で、個数や大きさなど諸々で多少の違いはあっても良しとするや問題なしといった意味となります。要するに、大きくても小さくても常識内や許容範囲内なら多少ズレでも、違いをとやかく問題視するほどでありませんす。また、数学で習う不等号でも「大なりや「小なり」と読む記号があります。