独歩安(どっぽやす)
「独歩安」は「独歩高」とセットで覚える事が多い、投資や経済の専門用語です。どちらかと言うなら「独歩高」の方が使われる事が多く、「独歩安」はあまり使われない印象がありますが、飽く迄も主観なので、実態はどうなのかも含めて詳しく調べてみました。
独歩安の意味とは
「独歩安」の意味は以下の通りとなります。
(1)株式市場や為替相場が好調に推移している際、ある特定の銘柄や通貨だけが売られて安くなっている状態。
(2)金融・証券用語の一つで、為替相場や株式相場おいて特定通貨や特定銘柄だけが値下がりする状態。
(3)独歩高の反対で、株式市場で特定銘柄や為替相場で特定通貨だけが下げる事。
「独歩安」は基本的にはより有名な”独歩高”の反対状態を指し示す言葉です。株式市場にしろ為替市場にしろ、堅調に株高や円安に推移している際に特定銘柄や通貨ペアだけが売られて下落するのが「独歩安」です。日経平均が上がると追随するように東証一部の大型銘柄も上がりますが、それでも小型株などは下げる場合もあります。通常においてこれは当たり前の事なので、仮に下がったとしても無理やり「独歩安」という表現は使いません。しかし、大型株が全て上がるような商いにも関わらず、ある有名企業の銘柄だけが下げるような時には「独歩安」という言葉が使われても、不自然ではありません。為替の場合は、より長期的な視野から判断して、ある通貨ペアだけが円安方向に動く時には「独歩高」と使われます。
独歩安の由来
「独歩安」の由来等々は、「独歩高」と同じでまったく分かっていません。いつ頃から使われるようになったのか、発案者は誰でどの様に使われ始めたのか等が不明です。過去を振り返り、株式市場では大きな扱いとしてあまり使われていないので目立ったケースはありませんが、為替相場では2011年の東日本大震災後に急激にドル円が円高に動き一時76円台となり、それが再び85円台と円安に回復した時は、他通貨と比較して「独歩安」と表現され紙面を賑わせました。
独歩安の文章・例文
例文1.独歩安とは為替では円安に動くが、株価は安くなるので輸出企業はあまり嬉しくない。
例文2.独歩安で相場全体が悪い時、如何にして勇気を出して個別銘柄や為替を仕込めるかが相場で勝ち残れる秘訣だ。
例文3.独歩安や独歩高が繰り返されるのが、ある意味で健全なマーケットの姿である。
例文4.国内を代表する某大手通信株が、独歩安となる可能性が高まっている。日経平均やダウは堅調だが、業績不振報道も多く、いつ暴落してもおかしくない。
例文5.独歩安は大型株が連動するようになれば、不景気や景気低迷のサインであり始まりとされる場合もあるので注意が必要だ。
「独歩安」を現在の景気状況に合わせた例文となります。
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独歩安の会話例
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個人投資家にとって、独歩安と独歩高のどちらの状況が望ましいのかな?
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それは独歩安でしょう。何と言っても、株価が好調で為替も円安に動いている時に、ある一部だけが下がるだけだから。その一部に投資をしていたら、損だけどね。
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そうだよね。運悪く、自分が投資している通貨や銘柄が独歩安になるとショックだけど、空売りしていたら儲かるし。それに、全体が好調なら戻る可能性も高いって事だよね?
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そうそう。だから、独歩安になった銘柄を仕入れるのも、賢い投資法かもね。
「独歩安」の時こそ投資をすべし! という会話です。
独歩安の類義語
「独歩安」の類義語には、「独歩高」「異彩安」「悪材料」などの言葉が挙げられます。
独歩安まとめ
「独歩安」とは、株式市場や為替相場が好調に推移している際、ある特定の銘柄や通貨だけが売られて安くなっている状態を指す経済用語です。株式市場なら日経平均が堅調に右肩上がりなのに、ある特定の銘柄だけが売られて下がった事で、為替市場なら同じく堅調に円安に動いているのにある通貨ペア(主にドル円)だけが下がって円高に動く事です。基本的には為替相場で使われる事が多い言葉ですが、どの金融商品でも使用される言葉として認識しましょう。