おとり捜査(おとりそうさ)
「おとり捜査」はそれこそ刑事ドラマや小説に興味がなくても、誰もが知っていて理解している警察用語ではないでしょうか。大麻や覚せい剤の摘発だけでなく、アメリカなどではテロ事件防止の為にまるで海外ドラマ「24」のような「おとり捜査」が実際に行われているそうです。そんな「おとり捜査」について詳しく調べてみました。
おとり捜査の意味とは
「おとり捜査」の意味は以下の通りとなります。
(1)容疑対象者に犯罪を実行するよう協力し、犯罪実行されてから関係者を一網打尽にする捜査手法。
(2)警察の捜査員や協力者が身分を隠し、犯罪組織に近付き犯罪を行う様に促す。云わば警察自らが”おとり”となり敵と密接関係を築く捜査方法。取り締まる警官が事件を誘発する可能性が高くなり、日本では違法性とされるので司法の点からも積極的に導入される事はない。また警官である事が犯罪者側にバレてしまうと身の危険性も高く、それが本格導入に至らない背景。
(3)漢字表記「囮操作」、英語表記「sting operation」「sting」。
海外では犯罪撲滅や組織全容解明などの名目で積極的に導入されているが、日本では犯罪誘発という観点から「おとり捜査」が容認されない傾向である。司法の点からも「おとり捜査」に厳しいのが日本ならではの特長で、それ故に警察も導入に消極的になっている。一部、麻薬などの薬物犯罪や密売などには「おとり捜査」で犯人逮捕に結びつく事もあるが、実際にはそれ以外の事件等々では導入される事はほぼ有り得ない。その一方、日本でも公表されていないだけで、薬物事件以外でも導入されているとする声もある。例外的に公安などは「おとり捜査」が行われているようだが、それを確認する手段はないので飽く迄も噂話の域であり、今後も公に「おとり捜査」をしている、していないと警察が公表する事はない。
おとり捜査の由来
日本で最初に導入された「おとり捜査」は、残念ながら不明です。しかし、1953年に最高裁で「おとり捜査は実体法上及び訴訟法上なんら影響しない」と判決が出されているので、これが実質的な初の「おとり捜査」に対する国としての見解となります。因みに世界では、「おとり捜査」と同義扱いの「身分秘匿捜査」を秘密捜査手法として、19世紀のフランスが初めて導入した。元犯罪者のフランソワ・ヴィドック氏よる「身分秘匿捜査」は、その後イングランドなど各国でも捜査手法となっていく。「おとり捜査」の”おとり”は、漢字表記で”囮”や”媒鳥”で、「招き鳥」(おきどり)の発音が変化したとされる。”おとり”には、相手を誘い利用するや、鳥を捕まえる時に使う同類の鳥という意味があります。
おとり捜査の文章・例文
例文1.おとり捜査と名が付く刑事ドラマや小説は本当に数多い。
例文2.おとり捜査で犯人逮捕に至っても、それを公開する事はまずない。
例文3.おとり捜査は日本の警察では基本的に認められていないが、刑事ドラマなどでは再現性が高いので実際はあると思ってしまう。
例文4.おとり捜査の違法性は度々指摘されるが、指摘されるのは実際に現在も有効な捜査手法だからと勘繰ってしまう。
例文5.おとり捜査によって、犯罪組織が壊滅でき迷宮事件が解決するなら意義があると思うものではないのか。
「おとり捜査」の例文はあまり見かけないので、解説のような例文となります。
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おとり捜査の会話例
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おとり捜査で、犯罪組織に一人で潜入する任務を与えられた敏腕刑事。ハードボイルドな世界で憧れるよねー。俺も警察官になろうかなー!
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何、夢みたいな事を言っているの? あんたは警察官採用試験で間違いなく落とされるから大丈夫!
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俺みたいに頼りなさそうな男ほど、おとり捜査に向いていると思わない?
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あなたが出来るのは、痴漢逮捕が関の山。犯罪組織など潜入できる訳ないでしょう。映画やドラマの見すぎ。
「おとり捜査」に憧れる男性と、現実で論破する女性の会話です。
おとり捜査の類義語
「おとり捜査」の類義語には、「潜入捜査」「身分秘匿捜査」などの言葉が挙げられます。
おとり捜査まとめ
「おとり捜査」は、犯罪や事件の対象者に接触し、犯罪を実行するように協力しその後逮捕する捜査方法です。アメリカなどでは積極的に導入されていますが、日本では問題点も指摘され、一部の麻薬絡みなどの事件以外では導入されていないのが実情です。