かませ犬(かませいぬ)

往年のプロレスファンなら、長州力が発したかの有名な「かませ犬発言」を覚えているのではありませんか? これはプロレス史に残る名言とされ、今でもプロレス好きのお笑い芸人などが度々テレビで紹介したりするほどです。でも言葉としての「かませ犬」の場合は、案外と正確な意味は分からないものです。ヤクザなどの専門用語とも思えますし、何より一般社会では滅多に使われる言葉ではないからです。そんな「かませ犬」について、詳しく調べてみました。

[adstext]
[ads]

かませ犬の意味とは

「かませ犬」の意味は以下の通りとなります。
(1)やられ役。アンダードッグ(Underdog)。盛り上げ役。引き立て役。
(2)闘犬の専門用語で、調教する犬に自信を与える為にあてがう、噛まれる役目の犬。  
(3)スポーツ全般で若い新人や新チームや弱いチームなどに自信をつけさせる為、弱い相手や負けるチームと対戦させる事で、その相手が「かませ犬」となる。

スポーツを興行と見るなら、勝者と敗者を事前に作り上げ、劇的に盛り上げ観客を熱狂させるのも一つの手です。最近は所謂八百長などは少ないようですが、それでも時々は発覚して大きな問題となる事から完全になくすのは不可能です。「かませ犬」とは一概には言えないですが、この様な構造から生まれた必要悪のような面があります。要は、ボクシングやプロレスなどで、会場を盛り上げる事前に負ける役割の「やられ役」がいると、勝者がより引き立ちます。ですから前記した、長州力が現役時代に試合会場で「お前のかませ犬ではない!」と掟破りのように、反旗を翻したのは大変な話題となったのです。よって、「かませ犬」の意味合いは上記の通り、やられ役・盛り上げ役・引き立て役といったもので、元々は闘犬を育てる為に使われていた専門用語でしたが、現在はスポーツ全般やそれ以外でも使われます。一方、少々ややこしいのは、正式な本番や公式戦で発覚すると八百長ですが、若い選手や新人や弱いチームなどに練習試合などで自信を与えたり、強くさせる訓練として「やられ役」を相手としてあてがう事が多々あります。それを当の本人が知っているのか、また知らないのかはその都度違い、「かませ犬」と単なる練習相手の境目も実はあやふやであったりもします。

かませ犬の由来

「かませ犬」の由来は、闘犬を育てる際に弱い犬を用意して、噛ませる力や勝つ事を覚えさせたのが始まりとされています。日本では高知県で土佐犬(四国犬)と洋犬を交配させた土佐闘犬として、鎌倉時代頃から行われていたと伝えられています。

かませ犬の文章・例文

例文1.プロレスでイケメン選手が順調に成長すると、それまで何人の対戦相手がかませ犬だったのだろうと邪推してしまう。
例文2.かませ犬発言を大々的にした長州力がその後、バラエティ番組で人気者になるとは、人生とは本当に先が読めない面白さがある。
例文3.子供と将棋対局をして、面倒だったので力を抜いてワザと負けたら、「かませ犬を演じなくていい」と苦言を呈された。
例文4.バラエティ番組の汚れ役なども、一種のかませ犬みたいなものだ。
例文5.合コンや飲み会で、イケメンや美女を盛り上げる三枚目はかませ犬だが、最近はこの手のタイプが逆にモテるそうだ。

「かませ犬」を比喩として、闘犬以外で使った例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

かませ犬の会話例

  • 質問者アイコン

    明日のゴルフコンペは憂鬱だよ。

  • 回答者アイコン

    あら、大のゴルフ好きのあなたが珍しい。

  • 質問者アイコン

    普通のゴルフは好きだよ。でも、明日は接待ゴルフだから、お客さんを勝たせるかませ犬を必死に演じるから、気を遣って疲れるよ。

  • 回答者アイコン

    かませ犬も立派な仕事でしょう。頑張ってね。

ゴルフコンペを明日に控え、ゴルフ好きの旦那が妻に愚痴を零す会話です。

かませ犬の類義語

「かませ犬」の類義語には、「練習台」「当て馬」「やらせ」「アンダードッグ」などの言葉が挙げられます。

かませ犬まとめ

「かませ犬」とは闘犬で用いる専門用語ですが、現在は、やられ役やもりあげ役といった意味でスポーツ全般などで使われる言葉としても有名です。闘犬では、弱い犬を噛ませる事で戦い方を覚えて一人前になるので、同じ理屈がスポーツなどでも用いられています。要は、新人などに勝利の味を覚えさせたり、才能を開花させる役目として、弱い相手やワザと負ける相手を対戦させるのです。そして、本番や公式試合で、対戦相手が「かませ犬」と発覚すると八百長になります。

言葉の手帳ロゴ

この記事が参考になったら
『いいね』をお願いします!

Checkmateのサービスを紹介する広告です。
この記事を読んでいる人に人気の記事