さながら(さながら)
「さながら」とは「そっくり・そのまま・まるで等の意味を持つ他のものと非常に似ている際に使う表現」です。日々の日常会話や文章などで何気なく使ったり見聞きする言葉の中には、実は古語的な表現というものが多数あります。最も有名なのは「さすが」や「なるほど」で、これらも実は古語でありますが現代にすっかり馴染んでいます。そして今回の「さながら」も古語ですが、違和感はないですよね?
さながらの意味とは
「さながら」の意味は以下の通りとなります。
(1)そっくり。そっくりそのまま。そのまま。元のまま。まるで。
(2)漢字表記「宛ら」となり、非常によく似ている事や以前からの状態の通りを指す副詞。
(3)古語的表現では「全て」や「全部」となる。
「さながら」は他の物事と非常に似ている場合から「そっくり」「そのまま」「まるで」となり、他にも古語的表現では「残らず全部」や「全て」ともなります。普段使う場合には「まるで」の代わりに「さながら」として「さながら〇〇のよう」といった形が一般的で、特に大人が好んで使う表現となります。一見すると文語的表現にも感じますが日常的に口語で使ってもおかしくなく、古語という事からも「まるで」「そっくり」を使うよりも印象深くさせられる点があります。他にも「昔さながら」や「さながら全部」も有名なフレーズで、これは昔や全部を強調して「まるで昔のような」や「それをそっくり全部」といった意味合いになります。
さながらの由来
「さながら」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代中期の長編物語「宇津保物語」などに文言が記されています。
さながらの文章・例文
例文1.お笑い界の人気者はさながら素人が書いた3流小説のような幕引きで芸能界を引退しそうだが、ここから逆転を狙うのは神でも不可能だろう。
例文2.今日はさながらバケツをひっくり返したような大雨で、とてもじゃないが愛犬を散歩に連れていけない。
例文3.田舎ではコンビニと田んぼしか出かける所がないので、私にとってはさながら憩いであると同時に全町民が集まるこの世の全ての不満と欲が詰まったワンダーランドだ。
例文4.令和に突入するとコロナや有名人の相次ぐ死に政権や芸能スキャンダルと、さながら不満がある者が強く望んできたカオス社会になってきているが、この先は更にどんなインパクトが待ち受けているのか楽しみでしかない。
例文5.もしかして、現在はさながら江戸時代末期や戦前戦後の状況に非常に近い変革前の過渡期なのかも知れない。
「さながら」を使った例文となります。
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さながらの会話例
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今頃、テレビ局は大慌てなんだろうね?
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あの大物芸人が芸能休止を発表して、それは大変なんでしょう。
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でも、関西芸人が派閥になって仕切っていたのに不満を感じていた芸人や視聴者からすると、さながらやっと待ち望んでいた状況がやってきたってところじゃん。
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そうよね。政治や不祥事を批判する立場にもなったお笑い芸人だけど、実はそのお笑い界こそ最も古くてろくでもないルールを貫き通してきた存在だったんだから。
お笑い界についての会話をする2人という内容です。
さながらの類義語
「さながら」の類義語には「あたかも」「全く」「まさに」「まったく」「のように」「みたいに」などの言葉が挙げられます。
さながらの対義語
「さながら」の対義語には「凡そ」「大凡」「大体」「ほぼ」「殆ど」「少し」「一部」「半分」「一端」などの言葉が挙げられます。
さながらまとめ
以上がよく似ている事やそっくりな「さながら」についての解説でした。古語的表現の中でも有名な言葉で、日常的に用いる人も多いのが「さながら」ですが、それだけイメージとして印象に残るので「まるで」などに代わって強調する際で使われています。