つつがない(恙無い)
時代小説などを日常的に読まれている方なら「つつがない」は何度も見聞きした言葉でしょうが、それ以外の大多数の人にとっては、何となく記憶の片隅にあるが、実は意味が分からない言葉ではないでしょうか? 前後の文脈から理解をしたつもりなら、この機会に「つつがない」を理解してはどうでしょうか。意味や由来など、誰もが分かるように丁寧に解説をさせて頂きます。
つつがないの意味とは
「つつがない」(恙無い)は、悪い事が何もなく無事(な毎日)、平穏無事、問題がないという意味になります。しかし、これだと幸せなのか退屈なのか分かり難いものです。もう少し噛み砕く表現なら、平穏無事で悪い事は一切なく、一見すると退屈に思える日々こそ実は最良という意味にも聞こえてきます。幸せの尺度は人それぞれですが、「つつがない」は自身や家族なども健康で、平穏無事という状態を謙虚に物語る表現ではないでしょうか。
つつがないの由来
「つつがない」(恙無い)の「つつが」(恙)は病気や災難という意味にもなり、それが「ない」ので、健康や(病気がないので)平穏無事と解釈され現代に広まりました。また、別の説では、「つつがむし」というダニの一種によって発症する熱病が由来ともされています。古代中国では、「つつがむし」によって病気になる人が増え、その結果あいさつの際に「つつがない」と声を掛け合って、健康で体調に問題がないか確認し合うのが習慣になったそうです。
つつがないの文章・例文
例文1.高校生の私は最近テストの成績がよく、家族全員も健康で明るくと、我が家はつつがないほど平和である。
例文2.初めての海外旅行で不安だったが、終わってみるとつつがないものだった。
例文3.つつがない学生生活だったが、それでも意義があった。
例文4.夫婦生活は結局のところ、つつがないのが一番である。
例文5.愛息に願うのは、つつがなく成長してくれる事だけだ。
何か特別な事がなくても良いので、普通で健康的に毎日を過ごして欲しいなどの際に使う言葉が、「つつがない」です。
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つつがないの会話例
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大学四年間があっという間に終わりそう。何か大きな出来事があった訳ではなく、普通の日々だったけど、毎日が平和で楽しかったから満足しているよ。
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そんな時に使う表現は、”つつがない”や”つつがなく”が良いんじゃない。
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人から見ると退屈そうな日々だけど、病気など大きな失敗もなく、何より本人がそんな毎日で問題がないなら、”つつがない”を使っていいの?
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そうそう。”つつがない”は「平和で健康が最高」と言うとカドが立つから、敢えて謙虚にそのように言うんだよね。
平穏無事な大学生活の終わりを迎える人に、「つつがない」の使い方を教えている会話内容です。
つつがないの類義語
「つつがない」の類義語には、「滞りなく」「別条ない」などの言葉が挙げられます。
つつがないまとめ
何の問題もなく過ごしているという平穏無事を表現する言葉「つつがない」は、大きな幸運もないが病気や体調不良などもなく、実は幸せな状態という際に使う事ができます。似た意味を持つ言葉も多いですが、より謙虚で礼儀をわきまえた言葉であると言えます。