べっぴんさん(べっぴんさん)
「べっぴんさん」とは「美しい女性や綺麗な女性」という意味です。大阪や九州など西日本で定着している方言で、美人を称える最も有名な言葉が「べっぴんさん」ではないでしょうか。このような言葉は見知らぬ者同士のコミュニケーションとして大変優れていて、いきなり「美人」と言うのは抵抗があっても「べっぴんさん」なら敷居が低くなりマイルドであまり悪い気にならないのです。ですから、話し好きな大阪では特に定着をして、他人に無関心な東京では流行らない表現となったのでしょう。それでは詳しい解説となります。
べっぴんさんの意味とは
「べっぴんさん」の意味は以下の通りとなります。
(1)特別に美しい女性。美女。美人。器量良い女性。
(2)美人を意味する「べっぴん」に「さん」を付けた表現。
(3)2016年10月から放送開始されたNHKの連続テレビ小説のタイトル。
(4)漢字表記「別嬪さん」「別品さん」、略した「別嬪」「別品」や「べっぴん」も同義。
”べっぴん”は漢字表記で「別嬪」または「別品」となり「特別に良い品」「素晴らしい品」「美しい女性」「美人」といった意味で、そこから美しい女性を称えて使います。しかし、堅苦しい表現というより親しみを込めた挨拶や最初の言い回しといった感が強いです。ですから、昨今のハラスメント事情として外見に対してあれこれ言うのは問題視されますが、大阪などの関西圏の職場で上司が新人女性などに「おはよう。今日もべっぴんさんやねー」という程度は容認というか、とりわけ大きな問題とはなりません。コミュニケーションや挨拶であり長い年月をかけて文化として「べっぴんさん」と呼ぶのが定着をしているので、言われた方も深刻に受け止めず軽く受け流す程度であり、割と軽いノリとしての言葉なのです。しかし、これが同じ意味でも東京など関東圏で「美人」と言うと、誤解を招く事もあるので方言ならではの温かみや和みのメリットが「べっぴんさん」にはあります。
べっぴんさんの由来
「べっぴんさん」の由来は諸説ありますが、元々は江戸時代を発祥とする東京で誕生した言葉と言われていますが、愛知県発祥とする説もあります。それが現在は東京など関東ではほぼ使われず、関西や九州の方言として日常的に親しみを持って使われていて、特に大阪では中高年世代が若く綺麗な女性に対して挨拶感覚と言えば語弊もありますが、コミュニケーションとしてそこまで深い意味がなく使われています。
べっぴんさんの文章・例文
例文1.初めて大阪に旅行に行きある喫茶店に入ったら、話上手なマスターから「べっぴんさん」と声をかけられ、大阪では男性にも使う事があるんだとその時知った。
例文2.妻は子供の頃から近所で有名なべっぴんさんだったそうだが、実はそう呼ばれるのに抵抗があり、今のギャンブル狂の妻として日夜パチンコや競艇場で遊ぶのが性に合っているそうだ。
例文3.芸能界はべっぴんさんだらけだが、別の言い方をするなら金と欲だけを求めて集まった成りあがり主義者達が整形をしてまでのし上がる不気味な世界と言えなくもない。
例文4.男も女もべっぴんさんと扱われる旬の時期はとても短いのだから、限られた人生を大いに楽しめとアドバイスしたい。
例文5.最近は男性もべっぴんさん願望があるのか、化粧を日常的に使っているそうだ。
美人である「べっぴんさん」についての例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
べっぴんさんの会話例
-
おかえりー。久しぶりの同窓会どうだった?
-
ただいまー。学生時代の友人と再会出来て楽しかったよ。あの頃べっぴんさんだった人は今も綺麗でさー、男達は群がって声をかけて大変だったよ。
-
まあ、同窓会なんてナンパみたいなものだからね。
-
そうよね。浮気の温床なんだから、今度からは夫婦同伴の同窓会にすればいいのよ。
同窓会が終わり自宅に帰ってきた妻と留守番をしていた夫の会話です。
べっぴんさんの類義語
「べっぴんさん」の類義語には、「小町娘」「ビューティ」「佳人」「麗人」「傾城」などの言葉が挙げられます。
べっぴんさんの対義語
「べっぴんさん」の対義語には、「醜女」「悪女」「魔女」「ブサイク」「不美人」などの言葉が挙げられます。
べっぴんさんまとめ
「べっぴんさん」は美しい女性という意味で、美人に対して親しみを込めて使う表現です。関西や九州の方言とされ、特に大阪では良い意味で軽いノリとして日常的に使われています。