アウス(AUS)
これから産婦人科などで働く事を考えている方であれば、覚えておくべきワードのひとつが「アウス」という言葉です。医療に携わっていない方は普段の生活ではあまり触れる機会の少ない言葉ですが、知っておくといざというときに役立つこともあります。アウスの正しい意味について、知識を深めていきましょう。
アウスの意味とは
アウスとは【AUS】と書き、人工的におこなう妊娠中絶手術のことを示しています。産婦人科のクリニックでは業界用語として知られる言葉で、妊娠22週未満の妊婦にたいしておこなわれる中絶手術です。アウスでは母体の状態や、妊娠している週に応じて適した手術方法が選ばれます。よくおこなわれているのが掃除機のような器具をつかい子宮から吸い出す方法、スプーンのような医療器具をつかい体外に押し出す方法があります。
アウスの由来
アウスという言葉が生まれたのは、ドイツ語の「AUSKRATZUNG」です。ドイツ語で中絶手術を言い表す言葉で、医療の進歩とともに日本にも浸透するようになりました。中絶は妊娠している女性の要望があって、始めて成り立つもの。いろいろな背景があって始めてアウスにいたるのですが、手術前と手術後のメンタルケアをおこなうことも医療者に求められる姿勢です。
アウスの文章・例文
例文1.14時からアウスの手術があるため、サポートよろしくお願いします
例文2.アウスを受ける前に、注意点をよくお読みください
例文3.こちらのクリニックでは、アウスを受け付けていますか
例文4.どのタイミングでアウスをおこなうか、悩ましき問題です
例文5.アウス予定の患者さんが入室します
日本では妊娠22週目までの女性に、取りおこなわれるアウス。母体にダメージを与える影響もあるため、問診には充分な注意も必要です。
アウスを使うのは、主に病院の医療従事者となります。病院内でどんな話がされているのか、会話例を確認してみましょう。
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アウスの会話例
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明日はアウスが午前と午後で1件ずつ入ってるから、
準備だけしっかりしておいてくれ。 -
かしこまりました。
午前は9時から、午後は15時からの予定です。 -
午後の患者さんは未成年で親御さんの承諾書が必要だから、
忘れないようにチェックをしてね。 -
また10代の子のアウスですか?
最近本当に増えてきて、医療に携わるものとしては心苦しいですね。
アウスは世間から見ると、特別な用語に思われるかもしれませんが、医療従事者にとっては特別な言葉ではありません。
課せられた業務の中で使っているという事を理解するといいかもしれませんね。
アウスの類義語
アウスと同じような意味で使われるのが堕胎・おろす・中絶などの言葉です。経済的に貧しい、年齢的に未熟など…色々なケースが背後にからみ中絶の決断を余儀なくされる女性たち。最近では1人でも多くの命を救おうと、熊本の病院が実施しているこうのとりのゆりかごに代表されるような「命を救う取り組み」も広がりつつあります。
アウスまとめ
アウスとは人工的に中絶をおこなう、医療機関の専門ワードです。少子高齢化でお子さんの数が少なくなる日本。対して経済的に年齢的になど複数の理由によって、アウスを決断せざるを得ない女性たちも増えています。アウスは妊娠周期によって色々な手術方法が取られます。母体にどのようなリスクが生じるのか、手術前に正しい知識をもっておくことも必要です。