アトリウム(Atrium)
「アトリウム」とは「ビルや商業施設の吹き抜けタイプのエントランス」や「高級マンションの中庭(パティオ)」などです。最近は若者などの東京暮らしでアパートやマンションの部屋が非常に狭い「狭小物件」が人気だそうです。部屋は狭くても家具や収納を工夫して高さがないようにすると解放感が得られ、そこまで生活が苦でもなく逆に駅近などのメリットの方が大きいのでしょう。今回の「アトリウム」も実はその考えと似ているところがあり、上空が閉鎖的ではなく解放感があると気持ち良く感じられるそうです。
アトリウムの意味とは
「アトリウム」の意味は以下の通りとなります。
(1)建築業界用語で三方や四方を建物で囲まれた中庭・前室・前庭を指し、特にホテルなど建物に囲まれた大規模な中庭などの事。
(2)古代ローマ時代の住宅建築で玄関の広間が転じて、ホテルや商業施設の人がいちばん集まるエントランスなどの天井をガラスなど光が通る材質の屋根で覆った「解放感溢れる空間」の事。
(3)「内部公開空地」も同義。
「アトリウム」は英語表記「atrium」で直訳すると「中庭」「心房」「心耳」となり、そこから日本では建築業界用語として主に高級ホテルや大型商業施設などのエントランス部によくある、太陽光を取り入れる為に天井をガラスなどにした「大規模空間」や「吹き抜け空間」です。ですから、とても解放感があり同時に陽光も感じられる事から日本だけでなく世界中で長年主流な「建築様式」でもあります。また、役所やマンションなども近年は「アトリウム」にする事が多く、陽光が感じられると自然とコミュニケーションが取りやすくなったり心にもゆとりが生まれる効果を狙っているそうです。そんな事から「アトリウム」が備わっている物件(マンション)の方が資産価値が高い事から、それを見込んで新しい建物も「アトリウム」を設置するという流れになっています。代表的な有名な建物では高級ホテルは「ザ・リッツ・カールトン東京」「マンダリンオリエンタル東京」、商業施設は「東京ミッドタウン」「表参道ヒルズ」、ビルは「霞が関ビルディング」「東京スクエアガーデン」などに「アトリウム」が導入され訪れる人々に大きなインパクトを与え、また独自の個性を出す事に成功しています。そんな「アトリウム」のデメリットは普通の屋根よりもコストがかかり、地震・台風などの被害に遭いやすく修理の手間暇がかかり、吹き抜けなので空調効率が悪く特に冬は寒く、人が多く集まる場所を開放的にするので犯罪面の対策が難しいといった点があります。このような懸念材料があっても、解放感や陽光を感じるメリットが上回り「アトリウム導入」へ踏み切る場合が多いです。
アトリウムの由来
「アトリウム」の由来は古代ローマ時代の住宅建築で、当時は玄関奥の天窓がある石畳の空間を指していました。そしてキリスト教でも前庭などを「アトリウム」と呼ぶようになり、この独特な解放感があるつくりが近代になってからは駅やビルなどにも導入され、その後は商業施設やマンションなども採用をしていきます。ちなみに1968年に開業された東京千代田区「霞が関ビルディング」が日本初の「アトリウム」を導入したビルとされています。
アトリウムの文章・例文
例文1.地元の田舎町の役所には住民には不釣り合いな豪勢なアトリウムがつくられたが、数か月もしないで屋上の屋根に集まる野生猿やカラスのフンで汚れつくされた。
例文2.血税だろうと自治体からしたら知った事ではなく、他所が導入しているなら我が市町村も絶対にアトリウムをつくると役人は意固地になり、建設コストが膨らむほどまるでキックバックでも貰えるのではと疑いたくなる。
例文3.脱税議員達が豪華なアトリウムがある高級ホテルやハイクラスマンションで優雅な生活を送り、搾取され続ける間抜けは庶民は偶に訪れる商業施設のアトリウムの解放感に酔いしれ気持ちを盛り上げ、明日からの仕事も頑張ろうと気合を入れ、また働いた分だけ搾取される。
例文4.頭が禿げちらかり体も肥えて醜くなるとアトリウムの光と陽気さが憎たらしくて、自分には粉塵まみれな地下生活でペリカを貯める方がお似合いだと気持ちが強まる。
例文5.今日の展示会はアトリウムがある場所でオシャレだが、富士山頂のように寒くて風邪を引きそうだ。
「アトリウム」を使った例文となります。
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アトリウムの会話例
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そんな鬼のような顔をして住宅サイトを見なくても…。
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引っ越ししたいんだけど、オシャレなアトリウムがあるところは家賃が高いのよねー。いったいどうなっているのよ、全く。
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それならアトリウムがない物件を選べばいいじゃない?
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そんなところに住んだらセンスがなく暗い女だと思われて、婚活にも影響するよね。私は汚部屋住民だからこそエントランスにはアトリウムが絶対必要なの。
職場の同僚とマンション物件について会話をしています。
アトリウムの類義語
「アトリウム」の類義語には「パティオ」「出入口」「メインエントランス」「ロビー」「ホール」「吹き抜け」「中廊下」などの言葉が挙げられます。
アトリウムの対義語
「アトリウム」の対義語には「外庭」「屋上庭園」「空中庭園」「ベランダ」などの言葉が挙げられます。
アトリウムまとめ
以上が商業施設・駅・マンション・ビルなどの人が多いエントランスを光が感じられるように開放的な吹き抜けにした「アトリウム」の解説となりました。最近の建物の流行りと思われますが、実は古代ローマ時代が発祥とされる非常に古い建築様式なのです。ですから昔の人も現代人も太陽の光から気持ち良さや解放感を感じ取っているのでしょう。