アロット(Allotment)
「アロット」はこれまた聞きなれない言葉ですよね。大抵の方は何を指してどんな意味なのか理解できないものでしょう。最近は観光やインバウンド関連に力を入れるのが日本全体の流れであり、そこから観光用語が大きく注目を集めています。ですから、初めて知った言葉が理解できない場合はもしかしたら観光用語では? と疑いを持ってみるのも強ち間違いではありません。では、「アロット」にどの様な意味があるのか調べてみました。
アロットの意味とは
「アロット」の意味は以下の通りとなります。
(1)直訳すると分配や割当、配分という意味だが、観光用語としては宿泊施設が旅行会社に一定の客室や座席を恒常的に提供する事。
(2)ホテルや航空会社が旅行会社に客室や座席の一部を割り当てる慣習を航空業界では「アロット」、宿泊業界では「ブロック」、又は双方の業界で「アロットメント契約」や「ブロック在庫」とも呼ばれています。
観光や旅行業界ならではの専門用語であり、業界外の一般人にとっては分かり難いのが「アロット」(又はブロック)です。これは、宿泊施設が旅行会社(代理店)に客室(や座席)を提供しているのですが、逆に言うなら旅行会社側が客室を事前に確保するという事です。それは、旅行会社側がパックツアーなどを企画する上で、宿泊施設の部屋を一定数取っておくのは、慣例行為であり絶対に必要だからです。宿泊施設側も旅行会社と良好な関係を築くだけでなく、継続的に利用してもらうメリットがあったからです。また、かつては、旅行会社が同業他社と「アロット」の数を競い、多いほど業界内で影響力があると言えました。しかし時代が流れ、現在はネット販売や個人旅行も多くなり、「アロット」が多いのは逆にデメリットともなります。旅行会社が確保した部屋が結果的にお客に利用されない事も増え、空き部屋ながら使用不可能となるよりも、割安価格にしてでもお客に使ってもらった方が売上になります。辛口に言うなら、昔ながらの悪しき慣習が「アロット」であり、現在は改善傾向に進んでいます。
アロットの由来
「アロット」の正式な由来などは不明ですが、2010年前後から徐々にネット上などで見かけるようになりました。その頃から、ネットを利用したホテル予約やチケット販売も広がり始め、部屋や座席の在庫である「アロット」を減少させる方に転換し始めたのでは、と推測できます。よって、「アロット」や「ブロック」自体は、それ以前の遥か昔から導入されていたものです。
アロットの文章・例文
例文1.かつてはアロットを多く確保するのが、旅行会社の立場が強い象徴でもあった。
例文2.アロットが多くなると不良在庫になるので、ホテル側は大幅に値引きしてお客に提供する事もある。
例文3.有名ホテルで働く友人は、アロットのバランス調整が難しいとボヤく。旅行会社側に一定在庫がないと手数料が上がるそうだ。
例文4.アロットやブロックは同じ意味だが、それぞれの業界によって使う言葉が違ってくる。
例文5.チケットなどのネット販売によって、アロットが絞られる傾向になってしまった。
「アロット」を使った観光業界の実情についての例文です。
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アロットの会話例
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ホテルって、満室表示でも実際には満室じゃない事もあるよね?
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何それ? 意味が分からない!
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俺も最近知ったんだけど、旅行会社側が確保している部屋をアロットやブロックって言うみたい。だから、本当は部屋が空いているのに、確保されているから他のお客さんは使用できないって事かな。
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うーん、旅行会社の事前予約みたいな事だよね。通常予約のお客は無理、旅行会社経由だったら使用できるって事かな!
「アロット」について、どんな意味なのか男女2人が会話をしています。
アロットの類義語
「アロット」の類義語には、「ブロック」「イールド・マネジメント」「ウォークイン」などの言葉が挙げられます。
アロットまとめ
「アロット」とは正確には航空業界で呼ばれる事が多く、ホテルなどの宿泊業界では「ブロック」と呼ばれ、航空座席やホテル部屋の在庫を意味しています。これは、ホテルや航空会社側が一定の客室や座席を提供する事で、かつては双方にメリットがありました。しかし、近年はネットによるチケット販売や旅行が増え、逆にパック旅行が減少したので、大量の部屋や座席確保は売上にならない在庫となるので、今では「アロット」や「ブロック」を抑えてホテル側などが裁量販売できる数を増やす方向となっています。