「イッテコイ」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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イッテコイ(いってこい)

「イッテコイ」とは「利益が損失と相殺されて最終的にはチャラやプラマイゼロといった状態に陥る事」です。言葉の響きなどから特に中高年男性から様々なビジネス現場で用いられる専門用語で、一見すると「〜に行け」と命令する感じもありますが、実は増えたはずの利益が費用などに消されてプラマイゼロで終わるのを「イッテコイ」と言います。

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イッテコイの意味とは

「イッテコイ」の意味は以下の通りとなります。
 (1)利益や売上などが増えたがその分で経費も掛かったとして利益にならないや殆ど無い、又は利益と損失がほぼ同額といった意味合いの中高年が好むビジネス用語。
 (2)金融や証券業界の専門用語で、ある銘柄の相場が上がった(下がった)がその後下がり(上がり)始め、最終的な終値は始値と大差がない事。
 (3)工事現場などで往復の長さに用いる表現で、同じく中高年が好むビジネス用語となる。
 (4)「○○へ行け」という命令調の指示。
 (5)歌舞伎など舞台演出で別の場面に替わった後に再び元の場面に戻る事。
 (6)「往って来い」「行って来い」とも書き同義。
「イッテコイ」は日常会話でも「〇〇へ行け」と使用されますが、他にも上記の様な意味があります。その中でもビジネス用語としては代表的に用いられるのは、最終的な利益が殆ど出ない場合となる「イッテコイ」です。例えば飲食店などの売上が上がっても人件費や材料費などがその分で増えたら実質利益は殆ど無い(以前と変わらない)として、「プラマイゼロ」や「トントン」といった表現になりますが、それと同じ意味合いになるのが「イッテコイ」です。ニュアンスとして”イッテ”は売上が増えたが、”コイ”はその分で経費が掛かり利益を下げたとなり、要するに「成果無し」という事です。この考えは他にも、ある会社Aと新規で商談が成立したが、以前から取引があった会社Bとの契約が終了したといった場合もプラマイゼロとして「イッテコイ」となります。ですから、片方では利益やポジティブな事があっても、もう片方では損失といったネガティブな事が起こって最終的には行って戻ってきただけで何の成果もなかったのです。

イッテコイの由来

「イッテコイ」の由来は金融や証券業界の相場値動きからと言われています。株や為替などの相場とは銘柄の現在値となりチャート上で変動を繰り返していますが、仮に現在値で買い建てをしてその後値上がりしても、さらに時間が経過して買値付近まで値下がりをして止む無く決済処分をすれば、利益はほぼ無いのでそれが「イッテコイ」となったそうです。また、1日や1週間や1ヵ月などの単位で始値と終値が同程度になるのも、行って戻ってきたので「イッテコイ」の由来の一つと言われています。一方では演劇や舞台用語から誕生したという説もあり、現在のところは金融用語とどちらが最初なのか判断はつきません。

イッテコイの文章・例文

例文1.新規のお客さんを掴んだと思ったら、別のお客さんからは愛想を尽かされ、今日はイッテコイだけで終わってくたくたに疲れた。
例文2.相場のイッテコイとは結局手数料の分だけ損なので、実質はマイナスである。
例文3.これだけ物価高になればイッテコイになるだけマシで、多くの企業は利益が減少している。
例文4.マッチングアプリを試して思うのは出会いのチャンスは確かに広がっているが結局は付き合いのハードル高さは変わらず、まるでイッテコイであるのは変わりがない。
例文5.メルカリを使い転売で利益を出し喜んだが、本業の仕事は今年になってさっぱりでこれではイッテコイで、何か打開策を模索する必要が出てきた。
「イッテコイ」を使った例文となります。

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イッテコイの会話例

  • 株価がかなり下がって来たな。最悪だ…。

  • 大丈夫、ちょっと冷や汗が出て大変なんだけど?

  • ボーナス全額注ぎ込んだからな。でも、多分イッテコイで今日は終わると思うんだよ。だからもう少しは上がるはずだけど…。

  • 何楽観視しているのよ。日経平均が下がってきたじゃない。これからもっと下がるわよ。もしボーナスが全部溶けたら離婚だから!

株素人の夫がボーナス全額で勝負をして、激怒した妻から離婚を突き付けられるという内容です。

イッテコイの類義語

「イッテコイ」の類義語には「プラマイゼロ」「相殺」「チャラ」「収支とんとん」「損得なし」「過不足ゼロ」などの言葉が挙げられます。

イッテコイの対義語

「イッテコイ」の対義語には「相乗」「相乗効果」「相俟って」「シナジー」「協力作用」「戻って行け」などの言葉が挙げられます。

イッテコイまとめ

「イッテコイ」は漢字にすると「行って来い」や「往って来い」となり、金融・投資業界や普通の会社に工事現場、或いは博打や歌舞伎など様々な世界で使用される専門用語です。一般的にはオジサンが好むビジネス用語として、利益やメリットが有ったが損失やデメリットもあり最終的には損得が殆どない状態を「イッテコイ」となります。ですから最初は利益が出ていてプラスになったが、その後は元の位置に戻ってきたのでマイナスとなり、最終的にはプラマイゼロとなったのです。

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