エイヤ(えいや)
「エイヤ」とは「力を入れる時の掛け声、勢いに任せたとして大凡や大雑把や大胆、或いは勢いだけで中身がない事」です。日本語ならではの多様な解釈が可能となるのが「エイヤ」で、仮に外国人などに意味を説明するなら大変で頭が痛くなりますよね。そのぐらい摩訶不思議な言葉である「エイヤ」の解説となります。
エイヤの意味とは
「エイヤ」の意味は以下の通りとなります。
(1)力を入れる時に思わず発する声。力を入れる時の掛け声。飛び上がる時の声。
(2)中高年男性が好むビジネス用語で掛け声が転じて、気合や力が入って作ったや勢いに任せたという事で大凡・大体という意味合いが込められている。
(3)同じくビジネス用語として疑いのニュアンスから、仕事において勢いだけで中身が伴わないや良くない場合の批判めいた表現。
「エイヤ」はそもそもとして神輿などを担ぐ際に出す掛け声の一つです。重い神輿を皆で持つ時は心を一つにしてバランスを取り合うのが肝なので、掛け声は欠かせられないのです。そんな時は「エイヤ」「そりゃ」「よいしょ」等の声を出し合いますが、その流れから特に「エイヤ」だけがビジネス現場で中高年男性が好んで使う頻度が高いです。例えば書類や企画作成を頼まれ「エイヤで作りました」と返答した場合は、「気合を入れた」「頑張った」「必死になった」と解釈できますが、同時に「気持ちだけで中身はあまりよろしくない」と最初から謝罪をしているようなところもあります。また、出来上がった書類や企画を見た上司が「これエイヤだけでしょう」や「エイヤで作ったね」と言えば、そこには「頑張りは認めるが中身が良くない」「気持ちだけで空回りしている」と批判めいたニュアンスと受け取れます。それは神輿を担ぐのは悪く言えば掛け声を出して力を入れるだけで良く、そこには頭を使う必要はないからです。しかし、当の上司ですら時には勢いで物事を決める場合は「エイヤに任せる」や「エイヤに委ねる」ともなるので、どうしようもない時の決断を運任せにする際の勢いとして実は重宝されていたりもします。
エイヤの由来
「エイヤ」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代の軍記物語「平治物語」などに文言が記されています。
エイヤの文章・例文
例文1.入社したばかりの新人は貫禄が人一倍あり、「エイヤ」「がっちゃんこ」といったオヤジ言葉を早くも使いこなす恐るべき潜在能力の持ち主だ。
例文2.机で頭を抱えていた課長が突然「もうエイヤで決める」とまるで重大決心をしたかのように発した後、お昼の弁当を注文していてズッコケた。
例文3.仕事を頼まれてもいつもエイヤと深く考えずにやっていたら、段々と職場で仕事が出来ない男というレッテルを貼られて厄介者になってしまった。
例文4.「エイヤー!」と気合を入れてネットで馬券注文をするのがクセだが、この前思わず電車内でやってしまい周囲から白い目で見られ恥をかいた。
例文5.「この書類、またエイヤでやったでしょう!」と女性上司から見下されるように言われるのが快感で虜になったら、同僚達まで真似をし始め今では男達は誰一人まともに書類が作れない職場になってしまった。
「エイヤ」を使った例文となります。
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エイヤの会話例
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そういうのは、さっさとエイヤでやればいいんだよ。
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でも、大事な書類じゃないんですか?
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いいの、いいの。大事なのを任せる方が悪いんだから。それに何も横領とか悪い事をしている訳じゃなくて、単なる仕事を勢いに任せてやっているだけでしょう?
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そうですよね。じゃあ私も学生気分でこれからの仕事はエイヤでやるようにします。
仕事とは肩の力を入れずにリラックスしてやるべきと同僚二人が意気投合しています。
エイヤの類義語
「エイヤ」の類義語には掛け声では「エイ」「ヤー」「エイヤっと」「ダーっ」「よいしょ」「どっこいしょ」「セイヤ」「ガンバ」など、状況や状態としては「大凡」「概ね」「大体」「ざっくり」「ざっと」「殆ど」「およそ」などの言葉が挙げられます。
エイヤの対義語
「エイヤ」の対義語には「丁度」「きっちり」「ぴったり」「ぴたっと」「正確」「正に」「ちゃんと」などの言葉が挙げられます。掛け声としての対義語はありません。
エイヤまとめ
掛け声として有名な「エイヤ」ですが、中高年のオヤジ世代にとってはビジネス用語で「大まか」「ざっくり」といった意味として使われています。本来なら力を入れる気合の掛け声や一気にやりきる「エイヤ」ですが、勢いだけで中身がないや物事が完全でない場合も「エイヤ」として定着をしています。