エキュメニカル(Ecumenical Movement)
「エキュメニカル」とは「教派を超えた結束を目指すキリスト教としての究極の理想となる活動や運動に主義主張」です。簡単に言えばキリスト教が原点に戻り一つになるのが「エキュメニカル」で、世界最大の宗教組織である事から「世界教会主義」等とも呼ばれています。誰もが知っているキリスト教だからこそ抱え込む問題を解決しようと「エキュメニカル」が呼びかけられていますが、なかなか難しいのが現状のようです。
この記事の目次
エキュメニカルの意味とは
「エキュメニカル」の意味は以下の通りとなります。
(1)キリスト教諸教派の相互理解と宣教の協力を目的とした、宗派を超え全キリスト教が連帯すべきとする運動。
(2)キリスト教内で20世紀に起こった運動などの総称で、分裂から再び結束を試みる大きな動きであり主義主張の事。
(3)「エキュメニズム」「エキュメニカルムーブメント」「世界教会運動」「教会一致運動」なども同義。
「エキュメニカル」は英語表記「ecumenical movement」から取られた言葉で、”ecumenical”は「全般」「全世界」「全キリスト教会」「世界教会運動」、”movement”は「動き」「運動」「活動」「音楽の楽章」となり、直訳するならキリスト教を一つにまとめる「全キリスト教会運動」です。その「全キリスト教会運動」を目指す主義主張となるのが「エキュメニズム」で、日本の場合は「エキュメニカル」と同義扱いとなり媒体によってどちらかを便宜上用いていますが中身に違いはありません。キリスト教の歴史を見ると大きく3つに分派され西ローマ帝国の流れを汲む「カトリック」と、東ローマ帝国の流れの「ギリシャ正教」、さらには「カトリック」から分離した「プロテスタント」となります。この3つでキリスト教全体の8割になりますが、「エキュメニカル」並びに「エキュメニズム」とは簡単に言えばこの分派されたキリスト教を再び統一しようとする運動であり、その精神や主義主張となります。その背景にはキリスト教は世界最大の宗教組織で信者数は20億人以上とされ、これまで宗派対立によって戦争や抗争が起こった事を何度も繰り返してきました。そんな不毛な争いを起こさない為にと、20世紀になってプロテスタント諸教会が他の宗派にも呼びかけ連帯や統一などを試みる大きな運動となったのです。一方では理想だけ高く、それぞれの分派だけでなく人種や国によってもキリスト教に対する価値観が異なるので、あまりにも巨大になった組織であるキリスト教を一つにまとめるのは至難の業で殆ど前進していないのが現状となっています。そんな理想と現実を踏まえた上でのキリスト教の目指すべき未来像とも言えるのが「エキュメニカル」ではないでしょうか。
エキュメニカルの由来
「エキュメニカル」はギリシャ語の「家」を意味する言葉「オイコス」から誕生した「オイクーメネー」が由来となります。歴史的にはキリスト教は何度も分断と修復の試みがされてきたが実らず、20世紀になってプロテスタント側からの本格的な和解などの呼びかけを「エキュメニカル」の始まりと扱っています。
エキュメニカルの文章・例文
例文1.宗教学を専攻しているので、大学のレポート提出にエキュメニカルを取り上げる事にした。
例文2.少しは世界に関心を向けようと、図書館でエキュメニカルに関する本を数冊借りて寝る前に読んでいる。
例文3.キリスト教はエキュメニカルをどのような着地点で落ち着かせるかで真価が問われるだろう。
例文4.エキュメニカルを学びキリスト教の本質に触れた気がした。
例文5.父親はエキュメニカル運動に熱心だが、家族からは理解を得られていない。
「エキュメニカル」を使った例文となります。
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エキュメニカルの会話例
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ロシアってキリスト教だったんだね。知らなかったよ。
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ロシア正教ね。確か…、キリスト教の正教会になると思ったな。
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って事はプーチンもキリスト教信者なんでしょう? でも戦争は止めないと…。不思議な考えだよ。
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でもキリスト教の歴史は戦争の繰り返しだからね。そうならない平和な呼びかけがエキュメニカルだけど、ロシアとプーチンには無意味という事ね。
ロシアのウクライナ信仰やロシア正教と絡めて「エキュメニカル」について会話をしています。
エキュメニカルの類義語
「エキュメニカル」の類義語には「教会一致主義」「エキュメニカル運動」「世界教会協議会」「統一運動」などの言葉が挙げられます。
エキュメニカルの対義語
「エキュメニカル」の対義語には「宗教改革」「宗教戦争」「ユグノー戦争」「三十年戦争」などの言葉が挙げられます。
エキュメニカルまとめ
宗派を超えてキリスト教の結束を目指す大きな運動や精神に主義主張が「エキュメニカル」であり「エキュメニズム」です。あまりにも巨大な組織となったキリスト教が原点回帰として取った未来志向的な動きで、その世界規模な試みから「世界教会運動」等々とも呼ばれ、実際には違う宗派や教派が手を組むのは難しく結束を進めるのは困難ではありますが、目指すべき道としては間違っていないので大勢から共感を得られています。