オブラートに包む(おぶらーとにつつむ)
「オブラートに包む」とは「相手を刺激するような表現をしない、揉め事を避けて生活を送る上で欠かせられない高等スキル」です。子供の頃は何でもハッキリ言ってしまいますが、大人になると本音を隠すようになります。ネット上は誹謗中傷で溢れていますが、実生活はその反対で相手を不快にさせ怒らせても仕方がないので、特に職場などは「オブラートに包む表現」が常識となっています。それでは日本らしい本音は必ず胸にしまう「オブラートに包む」の解説となります。
この記事の目次
オブラートに包むの意味とは
「オブラートに包む」の意味は以下の通りとなります。
(1)相手を刺激しないように、直接的な表現は出来るだけ避けて遠回しに言う事。
(2)その人を怒らせないように、曖昧や回りくどい表現となってしまう事。
(3)「おぶらーとにくるむ」とも読む。
”オブラート”は「デンプンで作った薄い膜」「食用の可食フィルム」、”包む”は「物を紙や布で覆う」「心の中にしまって外に出さない」で、本来は物を包むのは風呂敷などですがそれを薄く溶けやすいオブラートで敢えて包むという比喩から、遠回しな表現全般を「オブラートに包む」と言います。上司と部下、主人と従者のように明確な力関係が成立していて、下の者が上の者への報告などで簡潔に言うと怒られそうなので、回りくどく説明してしまう事です。また、友人同士や親子などの対等や上下関係でも、ハッキリ伝えたらショックを受けるだろうと気を遣って遠回しな物言いになるのもよくあります。良好な関係を維持したい、面倒事を避ける、相手に心配をかけない、相手を気遣うとして、いずれは事実がバレるにしても今だけは結論を避けるように言葉を濁すのです。例えば、契約が欲しくて接待をしてきた業者に「オブラートに包むように結論は曖昧にした」としたり、ボーナス増加を期待する妻に「今年は景気が悪いからとオブラートに包む返事をした」といった風になります。
オブラートに包むの由来
「オブラートに包む」の由来は残念ながら不明ですが、”オブラート”は元々はオランダ語(oblaat)でキリスト教ミサで使われるウエハースに似た小型の洋菓子でした。その後、明治時代になると日本にも伝わり、薬の服用や菓子包装でも使われ始め、昭和になって「オブラートに包む」という言葉が誕生したとされていますが定かではありません。
オブラートに包むの文章・例文
例文1.直属の上司からオブラートに包むように退職を勧められ、頭にきたので途中からスマホで録音をし始め、家に帰って一人で聞きなおしていたら途中から涙が零れてきた。
例文2.ネットで買ったばかりの掃除機が壊れたので、サイトに書いてある店の電話番号にかけて文句を言ったら、中国人のような経営者がオブラートに包むように煙に巻くので泣き寝入りをした。
例文3.彼女はいつも飲み会だと言って朝帰りを繰り返し、きつく問い詰めてもオブラートに包んで返事するばかりなので、気晴らしにと大人のお店でお酒を飲んでいたら隣テーブルにはハッスルタイムを直前に控えた彼女が座っていた。
例文4.両親はDNA鑑定や血縁関係を扱ったニュースやドラマになると、急に自分とは視線を合わせず会話も途絶え重苦しい雰囲気になり、もう少しオブラートに包む事は出来ないのかといつも憤りを覚える。
例文5.先日病院に行ったら医者からハッキリと糖尿病と言われ、思わずこっちが「もう少しオブラートに包んでくれませんか」とお願いしたら、寝不足なのかダルそうに「2型糖尿病」と言い放ち、患者の気持ちなど微塵も理解しない今時珍しい医者だと思った。
様々な場面で「オブラートに包む」を使った例文となります。
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オブラートに包むの会話例
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うーん…、美味しいと言われればそんな気もするけど、それならコンビニ弁当は全部美味しいって言わないといけなくなるし、なかなか表現し辛い味付けの料理だね。
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それってオブラートに包んでいるようで、全然そんな事ないよね。嘘でも美味しいって言いなよ。
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じゃあ、作ってくれた事に感謝して、美味しいよ。
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もう二度とあなたには料理を作らないから。
「オブラートに包む」物言いが出来ない夫に対して妻がキレてしまいます。
オブラートに包むの類義語
「オブラートに包む」の類義語には、「ほのめかし」「言葉の裏」「言葉を濁す」「含みを持たす」「マイルド」「間接的」などの言葉が挙げられます。
オブラートに包むの対義語
「オブラートに包む」の対義語には、「単刀直入」「露骨」「率直」「強引」「直接」などの言葉が挙げられます。
オブラートに包むまとめ
「オブラートに包む」は相手を刺激させたりショックを与えない為に、出来るだけ優しく遠回しな言い方とする事です。これは学校での友人関係や職場の上司や同僚などあらゆる場面で常に求められる会話やり取りで、穏便で平穏な生活を過ごすには「オブラートに包む物言い」が大事となります。