カカア天下(カカアでんか)
「カカア天下」(嬶天下)は、「亭主関白」と対をなす、何かと度々世間に話題を提供する言葉ですよね。例えば、有名人夫婦が結婚をして揃ってテレビ番組などに出演すると、決まって「カカア天下」なるエピソードが登場するものです。妻の方が夫よりも立場が強い状態を指す言葉ですが、それ以上深堀りした詳しい由来などは知られていないので、今回は詳しい解説をさせて頂きます。
カカア天下の意味とは
「カカア天下」の意味は以下の通りとなります。
(1)妻の権威・権力・威厳などが夫よりも上の家庭や家族。
(2)亭主関白の反対語。
(3)妻が夫以上に働き者。家事全般だけでなく仕事にも熱心で働き者。
(4)妻が夫よりも立場上で、家庭内の決め事の決定権を握る。
「カカア天下」は大凡で上記の様な意味を持ちますが、厳密には昭和時代と平成・令和時代では意味合いが違っています。昔の場合は、それこそ亭主が呑んだ暮れて家に居ない事も多く、それでも妻が家庭をしっかり守っているのが「カカア天下」という使われ方でした。しかし、近年の場合は典型的なサラリーマン家庭でも、妻の方が権威等々が夫よりも上の場合が多く、それはアンケート調査でも如実に表れ、大抵は「カカア天下」の方が圧倒的に多くなります。その実情は、各家庭でも違いがあるでしょうが、夫である男性が一歩引くようになり、対する妻である女性の方が時代背景も影響して力強くなっているのが関係しているとされます。また、最近の若者世代は男女平等が根付いているので、女性に対し威張り散らすような男性も少なく、夫婦や家族円満の為には自己犠牲として夫が我慢する方が丸く収まると判断しているようです。それと、最終的には不景気で男性の給料が上がらず、小遣い減らされる悪循環で、稼ぎが悪い夫の立場が強くなる事がないのも関係しています。
カカア天下の由来
「カカア天下」の発祥は、群馬県とされます。これも諸説ありますが、群馬県甘楽町には「カカア天下像」が設置されている事からも、群馬県や上州名物として今では定着しています。その由来として、群馬県は絹産業が有名ですが、これは地元では「白瀧姫」(しらたきひめ)という伝説として知られています。伝説中身は江戸時代に遡り、京都で養蚕・製糸・機織りの技術を学んだ「白瀧姫」が、地元群馬に戻り、絹織物で女性が働く環境づくりに貢献したのが、「カカア天下」の始まりとされています。当時は女性が働く仕事が少なく、男性並みに稼げたり、地方の名産となるまで発展するとは思えていなかった反動で、女性を称えて「カカア天下」となったのでしょう。
カカア天下の文章・例文
例文1.祖母がカカア天下、母親もカカア天下、妻もカカア天下と驚異の三世代に受け継がれている。
例文2.カカア天下の方が夫婦円満と聞くが、その相手すらいない独身貴族を謳歌している。
例文3.カカア天下は外国でもあるのか、気になっている。
例文4.カカア天下を見て育った娘は、確実にカカア天下になると思うので、今から心配だ。
例文5.残業で疲れて家に帰っても、風呂も食事も用意されていないのは、カカア天下以前の問題だと思うが、世間の家庭はどのような感じなのだろう。
「カカア天下」は夫の立場が悪いですが、夫婦円満の秘訣ともされます。
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カカア天下の会話例
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若い時は優しくて気が利いて、こんなに素敵な女性はいないと思ったのに…、今では家の妻も立派なカカア天下を発揮しているよ。女性って、いつからこんなに変わるの?
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まあ、そうだね。多分、子供を産んでからじゃないかな!
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やっぱりそうだよね。子供を育てるのは大変だから、そこでおしとやかな性格などは邪魔なだけだよね。
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そうそう。それに、あなたの稼ぎも悪いでしょう。給料が低いと、男としての魅力も弱くなり、それで女が強くなる、という事だね。
「カカア天下」に嘆く男性に、さらに現実を突き落とす女性の会話です。
カカア天下の類義語
「カカア天下」の類義語には、「亭主関白」「恐妻家」などの言葉が挙げられます。
カカア天下まとめ
「カカア天下」は妻である女性がの方が立場が上な家庭を指す言葉です。発祥は群馬県で、絹や織物産業で女性が働ける環境に貢献したのが、今では「カカア天下」の由来とされています。現在は亭主関白は減少傾向ですが、反対に「カカア天下」の家庭は増えているようで、そこには現代ならではの男女平等や給料が上がらない経済情勢なども関係しているとされます。