カナヅチ(かなづち)
「カナヅチ」とは「釘を打ち込む金属製の道具であり、また水泳が出来ない人の喩え」です。昭和や平成時代の漫画や映画などでは、泳げない人を「カナヅチ」と表現する事が多いと思いませんか? 令和の現代ではあまり使われないので、懐かしの言葉といったところでしょう。もちろん大工道具としての「カナヅチ」は現代でも一般的ですよね。
カナヅチの意味とは
「カナヅチ」の意味は以下の通りとなります。
(1)釘などを打ち込む大工道具で、一般的には叩く部分である「槌」が鉄など金属製である事。
(2)「金槌」や「鉄鎚」とも書き、また「とんかち」も同義。
(3)大工道具「カナヅチ」は金属部分が重く水に沈む事から転じて、泳ぎが出来ない人や苦手な人の喩え。
「カナヅチ」は漢字では「金槌」や「鉄鎚」とも書き、「とんかち」と呼ぶこともあります。通常は大具道具や家庭工具として、釘を打ち込んだり、逆に釘を抜いたり、物を叩いて壊す為に使用します。厳密には「金槌」には釘を叩いたり物を壊す部分である「槌」(又は「頭」)の形で種類が分けられ、両方が平で釘を抜けないタイプは「玄能」(げんのう)、片方は釘打ち用でもう片方が釘抜き用が「なぐり」、木製で大型タイプは「かけや」となります。さらには「金槌」は金属製ですが、ゴム製のものなど釘を抜いたり物を壊す道具を全て含めた総称が「ハンマー」です。そして、プールなどで泳げない表現では普通は「カナヅチ」だけとなり、「ハンマー」や「とんかち」を使用する事はありません。因みに大工道具などの場合は漢字表記「金槌」、泳げない人の場合はカタカナ表記「カナヅチ」とするのが一応は暗黙ルールとされていますが、絶対ではないのでケースバイケースのようです。
カナヅチの由来
大工道具「カナヅチ」の由来は正式には不明ですが、一説によると弥生時代の頃には中国など大陸から伝わり既に鉄製の「カナヅチ」を使っていたと言われています。泳げない人「カナヅチ」はこれも諸説があり、いつ頃から呼ばれるようになったのか定かではありませんが、比較的新しくて漫画や映画などで使われたのが広まったと言われています。
カナヅチの文章・例文
例文1.唯一のコンプレックスは泳げないカナヅチだけだと思っていたが、冷静に考えると低身長・低収入・低学歴と弱点ばかりで取り柄が何一つないと気付いてしまった。
例文2.今や100円ショップでカナヅチなど日曜大工の道具が手に入ってしまう。
例文3.まった泳げないカナヅチだが30年間の人生で困った事は一度もない。
例文4.漫画などでは今でも泳げない人をカナヅチと呼んでいるようだ。
例文5.大人になってから水泳教室に通い始めカナヅチを克服する事に成功した。
「カナヅチ」を使った例文となります。
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カナヅチの会話例
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最近は水泳に嵌まっちゃって。泳げるようになると、人生観が変わるね。
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そんなに水泳って、楽しいんですか?
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楽しい楽しい。泳ぐって最高だよ。あれ、もしかして…カナヅチなの?
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それってセクハラでパワハラにあたりますよね。もう一回言ったら訴えますから。
職場での日常会話にもムキになるZ世代という内容です。
カナヅチの類義語
「カナヅチ」の類義語には大工道具では「玄能」「ボールピンハンマー」「マリット」「ゴムハンマー」、泳げない人は「水溺者」「溺者」などの言葉が挙げられます。
カナヅチの対義語
「カナヅチ」の対義語には大工道具で金属製に対して「木槌」、泳げない人なら「河童」となります。
カナヅチまとめ
釘を叩いたり抜く作業で必要な工具が「カナヅチ」です。また「カナヅチ」は金属製で重く水に沈む事から、全く泳げない人や水泳が苦手な人の喩えでも「カナヅチ」となります。そして「カナヅチ」は金属製ですが、木製なら「木槌」、ゴム製なら「ゴムハンマー」となり、これらを総称して「ハンマー」と呼ばれています。