キラーコール(Killer Call)
「キラーコール」とは「高額なお酒を注文したお客に対してホストが披露する特別パフォーマンス」です。日本独自の水商売「ホストクラブ」ですが、実はイケメン男性が女性客を接待する類似の商売は海外でもあります。しかし、日本ほどあこぎに若い客から金を毟り取るような商法はやっていないようです。それでも体育会系的な「一気飲み」に歌・踊りなど何でも披露してお客を飽きさせないように徹底するサービス精神は日本のホストクラブだからこそ可能なのでしょう。
キラーコールの意味とは
「キラーコール」の意味は以下の通りとなります。
(1)ホスト業界の専門用語で、一度に高額なお酒を注文したお客だけが受けられる特別なパフォーマンス。
(2)女性客を盛り上げるホストのパフォーマンス「ハニーコール」の中でも、100万単位といった高額注文をしたお客のみに披露する歌や踊りやトークなどの特別演出バージョン。
「キラーコール」は英語表記「killer call」でホスト業界独自の俗語となる専門用語です。直訳すると「殺し屋の呼びかけ」ですが、ホスト業界の場合はスラング的にホストによる「最高の呼びかけ」や「素晴らしいマイクパフォーマンス」といったニュアンスで使われます。これはホストクラブでは店内を盛り上げる歌・踊り・トークといったマイクパフォーマンス「ハニーコール」をホストがするのが定番で、云わば女性客はこれが目的で店に通うところもあります。有名な「シャンパンコール」も「ハニーコール」の一つですが、金払いが良い「太客」などが100万単位のお酒を注文すると、店は感謝として「ハニーコール」の中でも最上級な特別パフォーマンス「キラーコール」を披露するのです。要するに普通の客や店内に対して披露するものよりも、ホストは気合を入れて歌やダンスを披露し店も派手な照明などで凝った演出をして、高額な注文をした女性客を特別にもてなします。この「キラーコール」をすると、他の女性客も刺激を受けたり対抗意識を燃やすので店にとっても更に都合が良いですが、逆に言うなら下手でレベルが低い「キラーコール」なら客離れとなる恐れもあるので店やホストは真剣になるのです。よって、ホストのパフォーマンス「ハニーコール」の中でも特別な太客に対して行う最高の盛り上げが「キラーコール」になります。
キラーコールの由来
ホスト業界の歴史として、1965年に東京駅八重洲口にオープンした「ナイト東京」がホスト店の元祖とされ、その後は新宿歌舞伎町などから全国に広がったとされています。そして女性客をもてなすパフォーマンスとして「ハニーコール」が1999年頃から披露されるようになりその流れで「キラーコール」も誕生したとされていますが、一方では1970年代のホスト業界では既に「ハニーコール」や「キラーコール」が行われていたとする説もあり、真相は分かっていません。
キラーコールの文章・例文
例文1.普通の事務員だった妻がホスト通いにハマって夢の中でもうわ言のように「キラーコール最高!」と口にして、これはどうするべきかと思っていたらある日、「会社のお金を横領していたの」と白状されたが俺に一体どうすれば良いのかと混乱していたその時、玄関のチャイムが鳴って妻は「警察がきたー」と発狂した。
例文2.小さい頃は神童と呼ばれていた俺が今やホストクラブで夜な夜なキラーコールを披露する先輩の脇役として舞台を支えているとは、田舎の両親が見たら涙を流すだろう。
例文3.新宿界隈の違法ホストクラブでは、一夜で何千万もの金が動いて未成年ホストが必死にキラーコールをしたり体を売って、どこかの大富豪の年増客に奉仕するのが令和日本の姿である。
例文4.これだけ未成年の売掛金が問題になってもホスト業界もキラーコールもなくならないのは、歌舞伎町というグレーなエリアが商売として潤い街を活性化させているのも事実だからである。
例文5.店長が「最近はキラーコールが少なくなって売り上げも下がっている」と嘆いていたが、こんな地方都市でホスト店を10年も営業できたのが奇跡に近いと思ったが口にはしない。
「キラーコール」を使った例文となります。
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キラーコールの会話例
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ホストクラブに行って、若いホストからキラーコールをしてもらって楽しんでいたら、いつの間にか朝になっていたと…、そういう事だよね。
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うん、ごめんなさい…。でも、私だって毎日仕事に育児でストレスが溜まっていて…。
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だからって、なぜホスト通いなんだよ。前も俺に見つかって、もうホスト通いはしないって誓ったよね。その時にもし破れば離婚だって。
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はいはい、分かったわよ。さっさと離婚するわよ。でも親権は絶対に渡さないし、裁判をしても母親が勝つのが日本だからね。残念でーしたー。
ホスト通いが止められない妻と離婚に向けての会話という内容です。
キラーコールの類義語
「キラーコール」の類義語には「飲みコール」「場内指名」「掛け合い」「定番コール」「ハニーコール」などの言葉が挙げられます。
キラーコールの対義語
「キラ—コール」の対義語はありません。補足として指名をしないお客「フリー」の対義語は「指名」「幹(みき)」、お金を使わない客「細客」の対義語は金払いが良い客「太客」になります。
キラーコールまとめ
以上がホスト業界の専門用語「キラーコール」の解説となりました。ホストクラブは女性客を如何にして盛り上げて楽しませるかが大事なポイントですが、高額なお酒を注文したお客には感謝を込めて特別なマイクパフォーマンスである「キラーコール」を披露します。独特なライトアップなどの演出も加わったお気に入りホストのパフォーマンスを観たくて、ホストクラブの常連になってしまう客も多いのでしょう。