クラウンジュエル(Crown jewel)
クラウンジュエルは、一見では宝石や貴金属のことだと思ってしまいそうですが、立派な経済用語の1つです。クラウンジュエルの使い方や意味や由来を詳しく解説していきます。
この記事の目次
クラウンジュエルの意味とは
クラウンジュエルとは、自社が株式の買い占めによる敵対的買収を受けることになった時の対抗措置の1つです。具体的には、自社の企業価値を下げる行為を指す言葉で、その為に黒字部門を分社化したり、資産を子会社に移動させるといったことを行います。これを行う為には、役員会にこの議題が出され、可決される必要があります。
これらの行為により、その会社を手に入れても旨みがないと思わせることができ、買収を思い留まらせる効果に期待できますが、一歩間違えると、この判断を下した役員(この案に賛成した全員)が背任罪に問われることにもなってしまうので、行う際には慎重な判断が求められます。
罪に問われてしまう理由は、株主から”故意に会社に損害を与えた”と思われてしまうからです。そうならない為にも、まずは株主にこのクラウンジェルの必要性をきちんと説明し、同意を得ることが必須とも言えますが、日程的にすぐに行うことが求められる場合も多い為、そこが一番難しい部分だと言えるかもしれません。
クラウンジュエルの由来
クラウンジュエルという言葉の由来は、”王冠(クラウン)から価値のある宝石(ジュエル)を外してしまう”という行為です。それにより、王冠と称した会社の価値を下げ、魅力がないと思わせる言葉として使っています。
尚、英語でもそのまま「crown jewel」で、同様の意味の言葉として使うことができます。
クラウンジュエルの文章・例文
例文1.あの会社はクラウンジュエルで競合大手からの買収を回避したらしい
例文2.もうクラウンジュエルしか手がないという結論に達した
例文3.クラウンジュエルで買収を乗り切ったはいいが、無理に作った子会社の扱いに困っている
例文4.それなりの株を保有している株主として、クラウンジュエルにはとても賛成できない
例文5.クラウンジュエルについての議題が出されて、初めてそんな状況なのだと知った
クラウンジュエルは、それを行った後についてもきちんと考えた上でないと、後で困ることになるかも知れません。特に分社化した場合には、その会社をきちんと存続させていくことができるかどうかです。
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クラウンジュエルの会話例
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この間聞いたんだけど、あの取引先の会社が買収されるって噂だね。
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結構広まっているわよね。これだけ広がっていたら、株主も知ってそうだし、何か対抗策を講じるかもよ。
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クラウンジュエルとかするかもしれないな。なら、大変なことになるけど。
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確かに。そうなれば、こっちの会社にも影響が出るかもね。
買収防衛策をするかどうかの噂をしている二人でした。
クラウンジュエルの類義語
クラウンジュエルの類義語は、「買収防衛策」です。その中の1つがクラウンジュエルで、その他にも増資によって発行済みの株式を総数を増やし、敵対側の保有割合を薄めてしまうという手段などがあります。
クラウンジュエルまとめ
クラウンジュエルは、他の方法ではどうにもならない時の最終手段だとも言える敵対的買収に対する対抗手段です。大きな影響が残ってしまうので、まずはそれを一番先に考えた上で、行うべきかどうかの判断をするべきだと言えるでしょう。