クリッピング(Clipping)
「クリッピング」とは「企業が新聞やネットなどメディアから必要情報を収集する事」です。今や情報が企業や経済から世の中を動かしていると言っても過言ではなく、だからこそ企業は自社や他社も含めて情報の扱いには非常にデリケートになっています。どこよりも早く、そして多岐に渡る情報を得たいと考えていますが、自分達だけで得るのは限界があるので専門会社に「クリッピング」をお願いするほどなのです。
クリッピングの意味とは
「クリッピング」の意味は以下の通りとなります。
(1)英語表記「clipping」の直訳から「切り抜く」「(新聞などの)切り抜き」など。
(2)企業が自社や他社の新聞・雑誌・サイト・SNSなどの情報を切り抜き保管する事。またそのようなサービスの名称。
(3)IT用語で画像編集において一部分を表示させたり、不必要な部分を消去するなどの処理や操作の事。
「クリッピング」は英語表記「clipping」、直訳すると「切り抜く」「(新聞などの)切り抜き」となる事から文字通りにそのままの意味で、画像編集で一部分を切り抜いたりする操作や作業でも使う事もありますが、通常は「新聞やネット情報から必要な部分だけを保管する事」です。これまでは企業が自社やライバル他社の動向チェックとして、新聞や雑誌などに記載された情報を保管する事を「クリッピング」と言っていましたが、現在はネットやSNSにも情報が満載なのでそれらも含めて「クリッピング」となり、また企業に代わって有益な情報を「クリッピングサービス」する会社もあります。かつては紙媒体ばかりでしたが、現在は新聞やネット記事もデジタル媒体にしたクラウドタイプや、専用ソフト・アプリで提供するケースも増えています。さらに大企業では自社内で配る様々な情報が掲載された記事を「クリッピング」と呼ぶ場合もあります。
クリッピングの由来
「クリッピング」が日本で初めて導入されたのは明治時代とされています。この時代は欧米文化が本格的に入り始め様々な企業が誕生をして、特定の企業は新聞記事の中から必要なものを集めるようになりました。この情報が価値を持つと世間が認識するようになるのは昭和中期とされ、高度経済成長期もありライバル会社の情報に目を配るようになったのです。
クリッピングの文章・例文
例文1.やっと念願の大企業に就職し法人営業でバリバリ活躍しようと思っていたら、配属先が広報部でクリッピングを任せられ、いったい大学の経営学部で学んだのは何だったのか頭が痛くなってきた。
例文2.中国や東欧に南米などの闇エンジニアは企業が欲するクリッピングに不正をするなど余裕だろう。
例文3.クリッピングの内容ひとつで日本経済の根底が覆る事になる爆弾の場合もあるので、情報は慎重に扱うべきである。
例文4.依頼主の企業に早朝からクリッピングサービスを届ける会社に勤めて早5年が経ち、今では自分が大企業の経営連中を掌で操っている感覚があり、この仕事の遣り甲斐から虜になっている。
例文5.デジタル画像は加工やクリッピングをすれば何が本当の姿が分からず、その内に家の鏡も全てデジタルになって修正された顔を見て本人だけが喜ぶ歪な世界になりそうだ。
「クリッピング」を使った例文となります。
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クリッピングの会話例
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うちの会社も不景気なんだから、こんな誰も真剣に読まないクリッピングなんてやめればいいのに…。
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それは相手もうちの製品を導入してくれているんだから、付き合いで止められないでしょう。
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まあ、そうなんだよな。面倒なしがらみだよ。じゃあ、久しぶりにじっくり読んでみるかな。
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それより、そろそろ朝礼だからそんな余計な事してないでよ。
職場にて朝礼前の同僚同士の会話内容です。
クリッピングの類義語
「クリッピング」の類義語には「競合調査」「市場調査」「競合分析」「切り抜き記事」「抜粋」「情報収集」「リサーチ」「スクラップ」「スクラップブック」「トリミング」などの言葉が挙げられます。
クリッピングの対義語
「クリッピング」の対義語は厳密にはありませんが、「クリッピング」を「手作業」とするなら対義語は「デジタル化」「自動化」、また「抜粋」の対義語は「全文」「全編」となります。
クリッピングまとめ
以上が企業の情報収集や切り抜きを意味する「クリッピング」についての解説でした。一般人からすると画像編集などの切り抜きをする手法が「クリッピング」ですが、企業からすると自社やライバル他社の様々な情報をストックしておくことを「クリッピング」とします。