クンロク(くんろく、九六、訓録)
「クンロク」とは様々な業界で使われる隠語ですが、そうは言いつつも世の半分からそれ以下の人が多分意味を理解していないと思います。それぐらいあまり見聞きしない言葉です。一方、雰囲気的にはヤクザや裏社会系と思うでしょうが、他にも相撲やコンピューター用語という一面も併せ持ち、ますます「クンロク」の使い方や意味が混乱するのではないでしょうか? それでは、謎多き「クンロク」についての解説となります。
クンロクの意味とは
「クンロク」の意味は以下の通りとなります。
(1)ヤクザや極道が用いる専門用語(隠語)で、相手を脅す際に「クンロクを入れる」と使われる。
(2)相撲業界の隠語で、ひと場所が9勝6敗の成績で終わった力士の事。
(3)コンピューターやIT業界の隠語で、パソコンや携帯電話の通信速度が9600bpsの事。
(4)麻雀用語で、9600点の上がりを略して。
上記の様に、一言で「クンロク」と言っても実に様々な使い方があります。しかし、その多くはヤクザや極道が用いる専門用語ないし隠語という使い方で知れ渡っています。「クンロクを入れる」「クンロクを入れたな」等々は、ヤクザなどが脅し文句として使い、正確には説教調ながらで感情を巧みに使い分け最後は脅すというものです。一方、少し複雑なのは、素人を脅す際には言葉として「クンロクを入れる」とは使用しない、賢いというか計算高いヤクザも大勢います。要は、脅す行為(クンロク)はしているが、それを「クンロク」と発すると脅迫罪が適用される可能性が高くなるので、違法行為にはギリギリ適用されない寸前の脅しを使い分けるのが本来の「クンロク」ともされています。ヤクザ用語以外では、相撲や麻雀で用いられる隠語という側面もあります。それぞれ、力士の9勝6敗という二ケタ勝利で場所を終えられなかった事、麻雀の点数9600点上がりの事となります。因みに漢字表記では、ヤクザ用語のみが「訓録」で他の相撲や麻雀は「九六」とされていますが、絶対確実とは言い切れません。
クンロクの由来
「クンロク」の由来は、これだけ様々な業界で用いられているので詳細は不明です。ヤクザ用語では、96%は威圧的で、残り4%は警告という意味からという説もありますが、憶測の域を出ていません。また、ヤクザ映画の代名詞とされる「仁義なき戦い」が発祥という説もありますが、同じく真偽のほどは定かではありません。
クンロクの文章・例文
例文1.競馬場で知り合った人が実は本筋で、これはクンロクを入れられるのでと怖くなり付き合いをやめた。
例文2.居酒屋で飲んでいたら、周囲が迷惑になるほど騒いでいた学生グループを大人しくさせた男性達がいた。その口調や出で立ちからどう見ても本物のヤクザで、学生はクンロクを入れられ意気消沈したようだ。
例文3.友人は日米問わずアウトロー系の作品を観ると影響され、鑑賞後は誰かにクンロクを入れる素振りを見せ付ける。
例文4.ひ弱な私にとって、クンロクとは鉄道オタクが使う専門用語だとばっかり思っていた。
例文5.クンロクを入れるぞー! という声で恐る恐る振り返ったら、下校中の中学生がふざけているだけだった。
「クンロク」をヤクザや一般人に使った例文となります。
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クンロクの会話例
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今日は通勤の電車内で、ケンカがあって大変だったよ。
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朝の忙しない車内で、お客同士がケンカなの?
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そうだよ。他の客が沢山乗っているのに、サラリーマン同士が興奮して互いに「クンロクを入れるぞ、この野郎」とか「バカ」とか怒鳴り合って意地の張り合い。
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男はそんな事をするから幼稚なのよね。
通勤の電車内でサラリーマン同士がケンカをしていたと、夫が妻に報告の会話をしています。
クンロクの類義語
「クンロク」の類義語には、「カマシをいれる」「アヤをつける」「イチャもんをつける」などの言葉が挙げられます。
クンロクまとめ
「クンロク」とは、ヤクザや極道が相手を脅す文句として使う隠語めいた言葉で、他にも大相撲や麻雀などでも使われる同じく隠語となります。ヤクザの場合は、相手を脅し脅迫罪となる手前を「クンロク」とし、実際には「クンロクを入れる」といった風に使います。