シビリアンコントロール(civilian control)
政治関連の報道を見ていると、時々聞いた事もない言葉が、さも誰もが理解している前提で進められる事があります。だから、「シビリアンコントロール」も何となく理解した気でいますが、多くの人は誤解や勘違いをして覚えていませんか? 自衛隊や民主主義と絡めて登場するので、大凡の意味は分かりますが、もしかしたらまったく反対の意味で理解をしている可能性もあります。そこで、正しい意味や由来、使い方や会話例などを参考にして覚えて頂けると、幸いです。
この記事の目次
シビリアンコントロールの意味とは
「シビリアンコントロール」(civilian control of the military)は、日本語にすると「文民統制」や「文民優越」で英語に「military」がある事からも、軍隊や軍事に関する政治的な意味合いを持つ言葉となります。日本の場合は法律で軍隊が存在しないので、自衛隊となります。正確な意味としては、軍人でないもの(政治家など)が、軍隊の最高権力となり指揮権を持ち操作できる状態が「シビリアンコントロール」で、民主主義としての大前提となります。もし、この状態が成り立っていないと、軍隊主導で戦争が起こる危険性があります。繰り返しになりますが、日本の場合は自衛隊となるので、防衛大臣でありさらにその上は首相が最高司令官でもあります。
シビリアンコントロールの由来
「シビリアンコントロール」という言葉自体がいつ頃から登場したかは不明ですが、
戦前や戦後における日本の歴史では、自衛隊の存在意義や民主主義の概念からも切り離す事が出来ない言葉です。近年注目されるようになったのは、2017年の稲田防衛大臣における一連の自衛隊不祥事や隠ぺいで、その際にはニュース番組やマスコミから散々と「シビリアンコントロール」について問題提起をされました。この騒動で、「シビリアンコントロール」をネガティブな印象を持たれた人も多いでしょう。
シビリアンコントロールの文章・例文
例文1.シビリアンコントロールは民主主義における根幹でもある。
例文2.シビリアンコントロールこそ、政治力が試されている。
例文3.軍隊の政治介入を防ぐのも、シビリアンコントロールが健全な証明である。
例文4.国民はシビリアンコントロールをきちんと理解する必要がある。
例文5.軍事政権はシビリアンコントロールが機能していないので、とても危険な状態だ!
シビリアンコントロールが機能しているか、それとも否かの例文が多くなります。また、民主主義や先進国の多くは機能しているが、それ以外の国々はあまりきちんと機能していないのが現状です。
シビリアンコントロールの会話例
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自衛隊の話題になると、最近はシビリアンコントロールという言葉がセットになっていませんか?
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確かにこの二つはセットになって、報道される頻度が多くなっています!
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具体的にはどうして、一緒に使われるようになったのですか?
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2010年前後から多く登場するようになり、いくつもの要因がありますが、自衛隊の国防におけるあり方や存在意義として、大物政治家などが自論を主張するようになり、マスコミや大衆を巻き込んで論争をされるようになったのです! もちろん稲田防衛大臣の頃がピークであったのは事実です。
なぜ、「シビリアンコントロール」が度々登場し、論争を巻き起こすようになったのか、その説明をしています。
シビリアンコントロールの類義語
「シビリアンコントロール」の類義語には、「文官優位」「政治統制」などの言葉が挙げられます。
シビリアンコントロールまとめ
軍隊やその影響力を伴う権力者の政治介入を防ぐのが、民主主義や民主国家の大原則であり、それが「シビリアンコントロール」となります。民主的な選挙で選ばれ、その最高責任者が軍隊(自衛隊)を指揮する権利で、そこには軍部の人間が関与してはならない。要するに、首相や大統領が軍隊でも最高責任者であり権力者となり、軍隊や軍人の勝手な暴走を防ぐ役目がある。