シャバ(しゃば)
「シャバ」とは「ヤクザ社会や刑務所などの閉鎖的な世界ではなく、一般人が暮らす自由な世界」です。人とは本質的に自由でのびのび暮らしたいので、それが厳しい規則などで雁字搦めにされると息苦しくて不満が募るものです。だから普通の人々が普通に暮らしているだけなのに、現在の生活に不満があると強く憧れてしまうのです。
シャバの意味とは
「シャバ」の意味は以下の通りとなります。
(1)仏教用語で釈迦が衆生を救い教化するこの世界。煩悩や苦しみが多いこの世。
(2)刑務所の服役囚、軍隊の隊員、ヤクザの組員など束縛した世界で暮らす者達から見た普通の人が暮らす自由な世界や一般社会を指す隠語や専門用語。
「シャバ」は漢字表記「娑婆」で、元々は仏教用語「sahā(サハー)」の事です。「サハー」は「釈迦が衆生を教化するこの世」であり要するに「現世」、そして「現世」は「苦しみに耐え忍ぶ場所」となります。ですから本来は大変有り難く重い意味を持つ言葉なのですが、日本においてはどうしても刑務所の囚人やヤクザ者が発する言葉というイメージが大きいです。ドラマや映画では、刑期を務め終えたヤクザが釈放され刑務所外に出てくると待ち構えていた子分や舎弟がタバコを差し出し、一服した一言目が定番の「シャバの空気はうまい!」となるのです。要するにタバコがいつでも吸える自由な世界に戻ってきたというニュアンスなのでしょうが、それぐらい自由は有り難いという事なのです。刑務所やヤクザ世界だけでなく、例えば自衛隊やタンカーの乗組員など閉鎖された空間での集団生活を送る人達も長期休暇などで解放されると「シャバ」の良さを実感するそうです。人間とはそれぐらい本質的に自由を渇望し、我慢する生活は耐え難いのです。因みにヤンキー用語的な「シャバい」「シャバ僧」「シャバ臭い」の”シャバ”も同じく「娑婆」であり仏教用語の「sahā(サハー)」を由来としています。
シャバの由来
「シャバ」の由来は大乗仏教の釈迦による大乗仏典で、そこでは極楽でも地獄でもない衆生が苦しみながらも生きている世界となります。要するに普通の人々が暮らす人間社会を「シャバ」として、軍隊・刑務所・遊郭といった閉鎖社会の人達から見た普通の暮らしは自由に見える事から、強い願望ある言葉として定着したとされています。
シャバの文章・例文
例文1.高校時代は一部屋5人の共同生活だったので、大学に入学して一人暮らしを始めた時は心底からシャバで自由に生きられる喜びを感じた。
例文2.普段は日常で暮らすのを特に何とも思わないが、不当逮捕で拘束をされたらきっとシャバの素晴らしさを感じるだろう。
例文3.「アニメショップに行けばシャバい奴らに会える」と、アニオタの偽ヤンキーな友人が言った時は「お前もだろ!」とツッコミを入れた。
例文4.世の中にはシャバの空気が合わず、敢えて犯罪をして刑務所に戻る人もいるそうだ。
例文5.確かに最近のシャバは生き辛いと思わなくもない。
「シャバ」を使った例文となります。
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シャバの会話例
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昔はマグロ漁船や蟹工船という過酷な環境で働いて金を稼ぐ方法もあったんだよね。
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今じゃ都市伝説みたいだけど、あったみたいね。
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もし今もあるなら、俺は喜んで志願するけどな。スリルがあって面白そうじゃん。
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コンビニバイトですら1週間持たないで辞めるニートなのに、シャバの世界から隔離された厳しい環境でやっていけないでしょう。
根性があると勘違いをしているニートとの会話内容です。
シャバの類義語
「シャバ」の類義語には、「現世」「俗世界」「人界」「普通の生活」「出所」「釈放」「刑期終了」などの言葉が挙げられます。
シャバの対義語
「シャバ」の対義語には、「刑務所」「服役」「軍隊」「霊界」「あの世」「地獄」「此岸」などの言葉が挙げられます。
シャバまとめ
「シャバ」は普通の人々が暮らす社会であり自由な世界です。ですから、刑務所などに服役をしていると束縛だらけなので、そんな自由に憧れて出所をした際には解放感から「シャバの空気はうまい」「シャバに出られた」となるのです。よって、「シャバ」=「自由」「束縛がない」と解釈できますが、普通の人は刑務所などに入らないので、そのような特殊な環境から出た際などに用いる表現です。