ステゴロ(素手転、素手喧嘩)
ステゴロとは「ヤンキーやヤクザ用語で、素手による喧嘩や殴り合い」です。不良やヤクザとは建前や見栄を大事にする世界なので、一般人にはなかなか理解し難いルールがいくつも存在します。「ステゴロ」もそんな一つで本来は喧嘩などはしなければいいのに、そこは引き下がると相手や身内からも舐められるので、そうならないように喧嘩をするのですが、しかし事前に条件やルールを出す事で己や相手を守る事になります。それが武器を使用しないという制約を設ける「ステゴロ」なのです。それでは解説に入らせて頂きます。
ステゴロの意味とは
「ステゴロ」の意味は以下の通りとなります。
(1)武器を使わない素手による喧嘩。
(2)”ステ”は手に何もない「素手」、”ゴロ”は隠語で「喧嘩」となり、素手による喧嘩の事。
(3)「すでごろ」とも読む。
「ステゴロ」は武器を使わない素手による喧嘩です。所謂、アウトローやヤクザ世界などの隠語でしたが、ヤンキーや不良の界隈でも通用する言葉となっています。その背景には1980年代頃からのヤンキーブームがあり、そんな内容を扱った漫画が多数ヒットした事も少なからず関係があります。いくつかの作品では喧嘩シーンを「ステゴロ」と表現するので、それが読者に浸透し一般人も「ステゴロ」=「素手の喧嘩」と理解したのです。さらに深掘りするなら、かつては(現在も多少は)ヤクザ世界の喧嘩とは命の取り合いを覚悟し、昔の映画などを観ると匕首(短刀)で相手を斬り付けるシーンがあるものです。要するにヤクザの喧嘩は一歩間違えると相手を殺すので、そうならないように、保険として匕首や包丁や拳銃などを使わない様にと「ステゴロ」という条件を出すのです。例えば、お店の中でヤクザ同士がいざこざになりそうになったら互いに相手を威嚇しますが、そこで「ステゴロならやるぞ!」といった風になるのです。すると、武器の使用禁止で素手の殴り合いなので命までは取る事はないと、暗黙のルールが成立するのです。
ステゴロの由来
「ステゴロ」の由来は残念ながら不明です。”ゴロ”は元々はならず者を「ごろつき」と呼び、ならず者は喧嘩をする事も多かったので、そこから喧嘩を”ゴロ”と呼ぶようになったとする説もありますが、正確なところは分かりません。
ステゴロの文章・例文
例文1.ステゴロ無敵を名乗る男が満を持して総合格闘技に参戦したが、4回戦ボーイにも惨敗しプロの実力を思い知った事になる。
例文2.厄病神シリーズはステゴロのオンパレードで、そのリアルな描写はヤクザ小説の金字塔だ。
例文3.かつての男達はステゴロで強くなりたいと思っていたが、今はYouTubeで名を揚げる事が勲章なのか躍起になっている。
例文4.ヤクザもかつてはステゴロで強ければ上にいけたが、今では金を稼げる者が出世をする任侠など忘れ去られた世界である。
例文5.夜な夜なゴキブリとステゴロを挑んでいるが、奴らは逃げ足が速いので、いつも決着が着かないので遂にトラップを仕掛ける策に出た。
素手の喧嘩などで「ステゴロ」を使った例文です。
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ステゴロの会話例
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ほら、あれ見て。街中で喧嘩を始めたよ。
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もう怖いなー。警官はまだなのかしら。あなた、巻き添えになるから早く向こうに行きましょう。
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いい大人が人前で喧嘩をしちゃダメだよな。でも、一応はステゴロでやっているから理性的ではあるんだな。
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ん、捨て頃…、って捨てる頃? 私を捨てて別の女と付き合う気だったの?
恋人同士がデートをしている最中に他人の喧嘩場面で出くわすという会話です。
ステゴロの類義語
「ステゴロ」の類義語には、「丸腰」「徒手」「タイマン」などの言葉が挙げられます。
ステゴロの対義語
「ステゴロ」の対義語は厳密にはありませんが、対立組織を集団で攻撃する「抗争」などが近い意味合いです。
ステゴロまとめ
「ステゴロ」は武器を使わない素手による喧嘩で、云わば正々堂々とした言い訳無用の殴り合いです。不良達にとっては「ステゴロ」で勝つのが一種のステータスで、ヤクザ者同士なら包丁や拳銃を使わない暗黙ルールが成立するので命の取り合いではないと双方が納得した事になります。