タイプビート(Type Beat)
「タイプビート」とは「第三者や無名アーティストが作った有名アーティストに似せたリズムの曲であり、ネット上に溢れる無数のビートトラックの売買やサービスなどを含めた総称となるヒップホップ業界の専門用語」です。ヒップホップの世界とは基本的に黒人社会の文化であり独特のスラングも溢れているので、極東のアジア人がそれを本質まで理解するのは非常に難しいところがあります。それでも「タイプ」は「種類」や「型」といった意味なので、例えば「タイラー・ザ・クリエイターっぽいビートの曲」を希望するのを「タイラー・ザ・クリエイター タイプビート」と言います。
タイプビートの意味とは
「タイプビート」の意味は以下の通りとなります。
(1)音楽ジャンルのヒップホップにおけるリズムとなるビートの事だが、特に有名アーティストが駆使するビートパターンに良く似たものを指す総称。
(2)最も人気がある音楽ジャンルとなったヒップホップ業界によるビートを簡単に入手するYouTubeなどを使ったマーケティング手法であり、ビートの制作者と購入者を結び付ける際の共通テーマのような言葉。
「タイプビート」は英語表記「Type Beat」、或いは「Typebeat」となります。これは近年の洋楽(欧米)ヒップホップ業界の主流となっている言葉です。「タイプビート」の説明の前に、まず洋楽において現在最も人気があるジャンルはヒップホップになっています。ヒップホップは簡単に言えば声を出す歌唱スタイルの「ラップ」とそこに流れるリズムとなる「ビート」があり、最近の音楽というかヒップホップに憧れる若者は楽器演奏もしないで済む「ラップ」が手っ取り早く簡単なので自分でも可能なのではと好む傾向があり、だからヒップホップが異常に人気がある音楽ジャンルなのですが、そこでリズムである「ビート」を求めてネット上から無料で手に入れたり、或いはビート制作者から購入するなどの手段が昨今は取られるようになっています。そこでどのようなスタイルの「ビート」とする際に、例えば「ジュラシック5」(有名ヒップホップグループ)のような雰囲気の曲がお気に入りなら「ジュラシック5 タイプビート」とすれば、「ジュラシック5っぽいビート」の曲がネット上で探せたり、ビート制作者から購入可能なのです。そこで手に入れた「ジュラシック5 タイプビート」に合わせて自分スタイルのラップを乗せれば、簡単にジュラシック5の現代版のような曲が完成するのです。よって、「タイプビート」とは有名アーティストっぽい曲のビートを探す手段であり、YouTube上などに無数に存在する無名アーティストが作り出した「○○アーティストや○○グループっぽいビート」も指していますし、ヒップホップアーティストになって一攫千金を狙う新人ラッパーと業界を結び付けるマーケティング手法にもなっています。
タイプビートの由来
「タイプビート」の概念的にはそもそもヒップホップの誕生である1970年代からあったのですが、YouTube上では2014年頃から「タイプビート」という言葉が登場し始めます。当初はヒップホップ好きのビート制作者が無料での「フリートラック」として善意で公開していたようですが、その後は音楽機材やパソコンなどの発達もあり簡単に現存する楽曲からビートだけを抜き出したり、或いはそれっぽいビートを制作するのが容易になり、「タイプビート」が一気に広まっていきます。
タイプビートの文章・例文
例文1.3分ぐらいで作った適当なビートが世界中のラッパーに憧れる若者達から購入されるのだから、ちょっとした小遣い稼ぎにタイプビートのビジネスは笑いが止まらない。
例文2.YouTubeで何億回も再生されるヒップホップはリズムパターンがどれも同じで、これが多分タイプビートなんだと思うともう楽器を手にしてメロディを作る文化は死んでいくだろう。
例文3.ラップ好きでタイプビートの素晴らしさを熱く語る者ほど、ジャパニーズヒップホップが最高峰だと思っているようで頭が痛い。
例文4.クラシックやジャズが廃れロックも時代遅れになるのだから、タイプビートなヒップホップ文化も次第に人気がなくなるのが世の常だ。
例文5.いずれは演歌や浪曲も海外のちょっとイカれた中年ヒップホッパーがタイプビートのサイトに登録して、日本版アフロビートや呪文ビートとして人気になるかも知れない。
「タイプビート」を使った例文となります。
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タイプビートの会話例
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また新しいレコードを買っちゃったよ。でも、俺から音楽を取ったら何も残らない!
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その自慢げに某レコードショップの袋を持つの止めなよ。
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それは絶対に無理。だってこれはただ聴くだけじゃなくて、レコードをデジタル化してビートを抜き出し、タイプビートにして世界中の夢見るキッズに音源を安く売ってあげるからだよ。
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それって…、著作権侵害の犯罪じゃないの?
ヒップホップ好きな男性とその知人の会話内容です。
タイプビートの類義語
「タイプビート」の類義語にはヒップヒップ用語として「サンプリング」「元ネタ」「トラック」「インスト」「バックミュージック」などの言葉が挙げられます。
タイプビートの対義語
「タイプビート」の対義語はありません。補足としてヒップヒップ用語では「アップビート」の対義語は「ダウンビート」、「オンビート」の対義語は「オフビート」のなります。
タイプビートまとめ
ヒップホップ業界で使われる専門用語が「タイプビート」で、ビート音源をネットを通じて無料や有料で提供したり、或いは有名アーティストの雰囲気が感じられるビートを「〇〇タイプビート」(〇〇は様々なアーティスト名)と言ったりします。