ダッチロール(Dutch roll)
「ダッチロール」とは「飛行機の不安定な横揺れ状態と、それが転じて求心力や信頼を失った政権や政治家の比喩表現」です。政治世界は様々な専門用語がありますが、その中でも割と有名な言葉が「ダッチロール」です。問題議員や政権末期を例えて多く登場するので、不名誉な言葉として強く印象に残り覚えられているからでしょう。
ダッチロールの意味とは
「ダッチロール」の意味は以下の通りとなります。
(1)飛行機が激しく横揺れしながら不安定な状態で蛇行する現象。
(2)航空機の左右に大きく揺れたりスライドして飛ぶ事が転じて、主に政権や政治家に問題が起こり不安定となった状態の比喩表現。
「ダッチロール」は英語表記「dutch roll」で、主な意味は上記のように2つあります。1つは航空機の不安定飛行の状態で、航空中に横滑り・横揺れなどが起こり蛇行するような現象です。この不安定な飛行が転じて政治用語となり、2つ目の政権や政治家などに問題が起こると不安定を揶揄するように「迷走」といったニュアンスで「ダッチロール」と表現されます。例えば「○○党はダッチロール状態」「○○大臣はダッチロールが止まらない」となり、特に政権末期で支持率低下に歯止めがかからないと新聞紙面などに「ダッチロール」が登場する機会も増えていきます。
ダッチロールの由来
「ダッチロール」の正確な由来は不明ですが、”ダッチ”は「オランダ」「オランダ系」、”ロール”は「巻いたもの」「回転させた円筒形」「転がす」「船や航空機の横揺れ」という意味があり、そこから直訳では「オランダ人の横揺れ」が「ダッチロール」となります。これでは意味不明ですが、16世紀頃のオランダでは真冬になると凍った運河で行われるアイススケートが人気となり、そこで誕生した独特のスケート滑走法が「ダッチロール」でした。優雅さを感じさせ芸術性があるとしてイギリスでも話題となりそこから世界的に広まり始め、19世紀になると航空機などの横揺れ状態でも使用されるようになったとする説が有力視されています。
ダッチロールの文章・例文
例文1.日本の政治はダッチロールが付き纏うが、実は民主主義国家はどこも似たようなもので政治を安定させるなら社会主義の方が良いのかも知れない。
例文2.海外旅行に行きたくない本当の理由はダッチロールが怖いから飛行機に絶対に乗りたくないからで、情けないので誰にも言えない。
例文3.与党も野党も常にダッチロールばかりだが、ニュースやワイドショー的にはその方が盛り上がるのだろう。
例文4.支持率低迷が続く政権は完全にダッチロール状態だが、そんな時に息子を秘書官にするのだから最高に空気が読めず呆れる。
例文5.昔の飛行機はダッチロールが多かったそうだが、乗客はよく平気だったと感心する。
「ダッチロール」を使った例文となります。
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ダッチロールの会話例
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それは…、記憶にありません。
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何言っているの? 昨日ちゃんと小遣いを渡したでしょう!
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うーん、貰ったような気もするが貰っていないような…、だから記憶にないんだよ。
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何をダッチロール状態の政治家みたいな言い訳を繰り返しているのよ。とにかく自分がパチンコで負けて無くなったからって、また小遣いをせびるのは無駄だから。
パチンコで小遣いを使い果たした夫が妻から再び貰おうと姑息な手段を取るという内容です。
ダッチロールの類義語
「ダッチロール」の類義語には、「死に体」「レームダック」「末期状態」「役立たず」などの言葉が挙げられます。
ダッチロールの対義語
「ダッチロール」の対義語には、「安定政権」「安定」「平常運転」「直進飛行」などの言葉が挙げられます。
ダッチロールまとめ
「ダッチロール」は飛行機が横揺れなどの不安定な蛇行現象を起こす事で、それが政治用語にもなり政権や政治家が問題によって不安定や末期状態に陥る事です。本来は正しく飛行する航空機がまるで墜落すると比喩して、信頼を失った政治家も地に落ちるとして「ダッチロール」や「ダッチロール状態」と言います。