テーゼ(Thesis)
「テーゼ」とは「是非や真偽を問う問題への命題や主張や課題などの事」です。難解な印象を抱く言葉なので日常会話で使用する機会は極めて低いですが、どこかで聞いた覚えがあると思います。ビジネス現場ではカタカナ用語が頻繁に使用されますが、「テーゼ」に関しても会議などで時々使われる程度ではないでしょうか。それぐらい実際にはあまり使い道がなく、どこか高尚な感じがある「テーゼ」の解説となります。
テーゼの意味とは
「テーゼ」の意味は以下の通りとなります。
(1)ある問題について提出された命題、提議、主張。
(2)哲学で肯定的判断や命題を立てる事。肯定的主張。
(3)政治運動の活動方針となる綱領。
”テーゼ”は英語表記「thesis」、ドイツ語表記「these」となり、元々はドイツの哲学用語でしたが欧米各国や日本に広まり「命題」や「命題群」や「主張」という意味合いで使われています。ですからある話題の是非などを問うのが所謂「テーゼ」で、例えば「就職はした方が良いのか?」「なぜ子供は勉強をするのか?」といった常識的なものから、「猫や犬は癒される」「ネットゲームで相手を罵倒するのは楽しい」といった個人的な思いなども全て命題と扱えば「テーゼ」になります。これらの命題に対して反論や反対意見となるのが対義語の「アンチテーゼ」(antithesis)です。一方で「テーゼ」は日常ではあまり使用されませんが、弁護士などが活躍する小説やドラマなどで専門用語として頻繁に登場するので、そこで聞いた覚えがあると思います。様々な弁論テーマの命題を「テーゼ」と表現して、「第1テーゼ」「第2テーゼ」「第3テーゼ」としたり、そのまま素直に命題やテーマや題目を「テーゼ」として使用します。個人として使用する場合は、単純に自分の正しいとする思いや考えとして「テーゼ」ともなりますが、通常は弁護士が好んで使ったり企業や組織などが会議で議論をする際に用いる程度ではないでしょうか?
テーゼの由来
「テーゼ」の由来はドイツ語の哲学用語で政治運動などに関して使われる言葉でしたが、欧米各国では命題・主張といった意味合いで使用されるようになります。
テーゼの文章・例文
例文1.意欲旺盛な若い弁護士が何人も居酒屋に集まり、法の問題点といったテーゼで議論を繰り返されると店主は頭が痛くなって追い出したくなるが、客商売なので我慢している。
例文2.ワイドショーでは毎日のようにコメンテーターがテーゼとアンチテーゼをぶつけ合うが、それを真剣に見ている者は誰もいないと気が付かないのがテレビ局の最大の問題点である。
例文3.政府にはこの国を良くするテーゼがいくつも報告されるが、結局は全て無視されカルトや献金だけを続ける大企業に配慮したものが優遇されていく。
例文4.息子が「学校に行きたくない」という重いテーゼをぶつけてきたが、俺も会社を辞めて失業保険で生活しているので真っ当な意見を言えず、取りあえず今日は学校を休ませコーラとコンビニの弁当を食べさせた。
例文5.政界に重くのしかかる究極のテーゼとして信者と政治家はカルト教会から抜け出せない問題があり、片や巨額献金で疲弊して人生に絶望し、片や安い会費で組織票を買い取りニッコリ笑顔でこの国を良くすると饒舌に語っていた者が、やっと同じ土俵に上がってきた。
「テーゼ」を使った例文となります。
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テーゼの会話例
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給料が上がらん、しかし物価は上がる…、最悪だ。
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もう長い間私達に襲い掛かるテーゼよね。
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金がない、されど金がさらに出ていく。
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政治家って、大抵は庶民の生活を良くするって選挙の時は訴えるけど、当選すると何もしないし声すら上げないわよね。その神経はどうなっているのか。
生活苦な男女の会話内容です。
テーゼの類義語
「テーゼ」の類義語には、「課題」「問い掛け」「設問」「議題」「案件」などの言葉が挙げられます。
テーゼの対義語
「テーゼ」の対義語には、「アンチテーゼ」「答え」「返事」「答弁」などの言葉が挙げられます。
テーゼまとめ
「テーゼ」はある問題に対する命題や提議といった意味で、哲学や政治運動や法律などに関連させて使用される事が多い用語です。要するに是非や真偽への問いかけが「テーゼ」となり、反対意見は「アンチテーゼ」となります。