デファクトスタンダード(De Facto Standard)
「デファクトスタンダード」とは「事実上の標準という意味で、正式な機関が認めた規格ではないが、市場に支持された半ば事実上支配している規格」です。ビジネス用語なので少々複雑ですが、要するに正式に統一された規格ではないが、他のメーカーもその規格を積極的に取り入れている状態です。典型的な例はウィンドウズやキーボード配列等で、これらは明確な規格はないがどのパソコンメーカも積極的に導入しています。逆に言うなら、商品開発をするメーカーは「デファクトスタンダード」を勝ち取れば莫大な利益だけでなく、業界の覇者になれるのです。そんな「デファクトスタンダード」についての解説となります。
この記事の目次
デファクトスタンダードの意味とは
「デファクトスタンダード」の意味は以下の通りとなります。
(1)業界の標準規格。事実上の標準。
(2)標準化機関が定めた規格ではない、市場に支持され事実上支配している規格。
(3ビジネス用語やネット用語で、市場原理による大勢からの支持で事実上の標準として幅広く認識されている規格。
「デファクトスタンダード」(又は「デファクト・スタンダード」)は直訳すると「事実上の標準」で、1990年代半ば頃から主にビジネス分野で使われる様になった専門用語です。基本的な意味は上記の通りで、要するに正式に公的な機関が標準規格と認証はしていないが、その規格を用いた製品が大量に販売され人々から支持されているので、業界の標準仕様(規格)として広く認められている状態です。現在はネット用語的な側面から、パソコンのウィンドウズ、ブルーレイなど諸々の製品の基準として認識されていますが、90年代頃は例えば中古車検査規格、デジタルカメラ、通信技術など様々な分野で用いられていました。現在でももちろん使われていますが、どうしてもパソコン関連などで多く使われるので、その分野のみで使用されると誤解を招く言葉ともなっています。一方、消費者にとっては、単に現在人気の商品を購入すれば自然と「デファクトスタンダード」の製品なんだという軽い認識かも知れませんが、実はデメリットめいた事も多く、数年もしないでさらにより良い商品が登場すると規格違いで互換性がないかもという弱点があるのです。顕著な例は、スマホのiPhoneとAndroidではケーブルや充電器が違うなど、なぜ統一しないのかと大勢が疑問に思う点も一向に改善されません。さらに、日本の電気は東日本は50Hzなのに対し西日本は60Hzと、これも長年放置されたままです。よって、完全なる一強多弱ならまだしも、二強体制や乱立状態、または数年で他の規格が誕生するようなら「デファクトスタンダード」も弊害が多くなります。
デファクトスタンダードの由来
「デファクトスタンダード」はラテン語の「事実から」を意味する「Defact」を語源として、それが英語の「標準」を意味する「Standard」と合わさったのが始まりとされています。「デファクトスタンダード」の形で世間に浸透し始めたのは、諸説ありますが、当初は前記した様に中古車検査規格などで使われ始め、その後1995年に発売されたウィンドウズ95が爆発的に普及しOSの市場をほぼ独占した事で、「デファクトスタンダード」がIT・ネット用語という側面から世間に受け入れられたようです。
デファクトスタンダードの文章・例文
例文1.デファクトスタンダードとは業界標準という意味だが、要するにある商品が市場を半ば独占してその規格が世間に浸透する事である。
例文2.大企業の技術者はデファクトスタンダードとなる事を常に目指し、日夜開発に励んでいる。
例文3.パソコンのキーボード配列なども典型的なデファクトスタンダードとして知られる。
例文4.我が家のデファクトスタンダードとなるか否かは、手綱を握る母親の鶴の一声で全て決まる。
例文5.70年代から80年代のアナログ時代最盛期は日本が様々な家電等々でデファクトスタンダードを事実上支配していたと言えるが、その後はご存知の通り衰退の一途を辿ってしまった。
「デファクトスタンダード」の解説や日本の状況などの例文となります。
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デファクトスタンダードの会話例
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社会人なんだから、デファクトスタンダードの意味とか知っているよね?
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もしかして先輩、私の事を試していません。そう言う先輩は知っているんですか?
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俺は知っているよ。だって、さっき調べたばかりだから。
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それってズルいですよね。で、答えですけど、事実上の標準っていう意味です。
職場の同僚男女が「デファクトスタンダード」について会話をしています。
デファクトスタンダードの類義語
「デファクトスタンダード」の類義語には、「デジュリスタンダード」「コンソーシアム標準」「フォーラム標準」などの言葉が挙げられます。
デファクトスタンダードまとめ
「デファクトスタンダード」は「事実上の標準」という意味でビジネス用語の事です。ある製品が爆発的に普及すると結果的にはその規格(仕様)が業界の標準となるので、云わば公的機関が認めた認証ではないが半ば業界における「事実上の標準規格」となっている状態です。最近のネットやIT関連の製品は進化のスピードがとても速いので、今後も「デファクトスタンダード」は増えていくでしょう。