デューデリジェンス(Due Diligence)
「デューデリジェンス」とは「M&Aや不動産などで使われる資産価値やリスク回避の情報収集」です。現在は様々な業界で専門用語が誕生しては、それが他の分野でも応用や拡大解釈されて使用されていますが、「デューデリジェンス」もそんな一つで元々は不動産購入や不動産投資や企業買収などのM&Aの言葉でしたが、現在はさらに波及してビジネス用語としてすっかり定着しています。従って、かつては「買収企業や不動産購入前の調査や情報収集」という意味でしたが、それが「人事デューデリジェンス」「財務デューデリジェンス」といった形で「デューデリジェンス」が大きく独り歩きをしている状態です。そんな「デューデリジェンス」について詳しく調べてみました。
この記事の目次
デューデリジェンスの意味とは
「デューデリジェンス」の意味は以下の通りとなります。
(1)不動産投資やM&Aなどで買収前に対象企業を調査する事。
(2)投資用語や不動産用語で、合併先や買収先企業の資産価値を徹底的に調査する事。
(3)M&Aや不動産業界の専門用語から転じて、他業界全般での情報収集やリスク調査の事。
(4)直訳すると「買収監査」「適正評価手続き」「買収対象企業調査」「精査」など。
英語「Due Diligence」(略して”DD”、以下デューデリジェンス)は、主に企業買収や不動産業界で特に使われる様になった専門用語です。基本的な意味や直訳は上記の通りで、要するに「資産評価の適正手続き」となります。大きく分けると企業の合併や買収(M&A)、又は不動産購入や不動産投資で「デューデリジェンス」が使われます。どちらも大金が動くので、企業や投資家は購入という決断をする前に慎重になって物事を調査するものですが、これは売手が情報をコントロールすると買手は不利になるので、それを防ぐ為に導入されていると言っても過言ではありません。企業買収でも不動産でも、公認会計士や弁護士や不動産鑑定士が中立的な立場から審査や情報開示が要求でき、一連の調査も「デューデリジェンス」に含まれます。M&Aなら事業リスクや財務状況など、不動産なら法的や経済的リスクなどをそれぞれ調査し、結果的に買手が不満を抱くようなら契約手続きを打ち切れます。従って、買手がやや有利になるよう法的に守られています。近年は「デューデリジェンス」の調査・精査という意味合いが他業界や分野でも利用され、ビジネス用語として定着しつつあります。人事や法務やITなどで、「人事デューデリジェンス」は人材調査や配置、「法務デューデリジェンス」は法律関係のリスク調査、「ITデューデリジェンス」はIT関連のシステム調査となり、共通しているのはリスク管理として情報を徹底的に把握するようにしています。また、従来は大企業によるM&Aという側面が強かった「デューデリジェンス」も、ネット市場の発達によってより手軽でスムーズな「中小M&A向けデューデリジェンス」も急激に広まっています。さらに、環境問題や新技術などこれまでは情報収集やリスク調査が難しかった分野も重要性が高まり、「技術デューデリジェンス」「環境デューデリジェンス」として専門業者への依頼が増加しています。
デューデリジェンスの由来
「デューデリジェンス」の由来は正確には分かっていませんが、”正当”を意味する「Due」と”勤勉”や”精励”などの「Diligence」を合わせた「デューデリジェンス」が法律用語として誕生し、その後は投資家を守る開示情報の精査で用いられるようになりました。
デューデリジェンスの文章・例文
例文1.株取引は四季報を片手にデューデリジェンスをして投資先を絞り、それが利益という結果に結びつく瞬間が最高に楽しい。
例文2.最近はデューデリジェンスで市場調査をする外資系企業が大変好調らしい。
例文3.企業買収をするには事前情報をどれだけ正しく集められるかが鍵なので、デューデリジェンスは専門業者に任せるにかぎる。
例文4.財務デューデリジェンスがコストカットに走り、不採算部門が相次いでリストラに遭い私も明日から職安通いになりそうだ。
例文5.デューデリジェンスによって様々な情報が集約されるようになったが、結局は一部の企業だけが勝ち残る仕組みが加速されるだけだ。
「デューデリジェンス」を株取引や企業買収などに使った例文です。
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デューデリジェンスの会話例
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そろそろマンションを購入したいな。
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そうね。このまま賃貸で払い続けるなら、将来を考えて購入した方がいいのよね。でも、大きな決断だから迷ってしまうのよね。
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そんな一般人向けに、最近は不動産デューデリジェンスや住宅デューデリジェンスが注目されているんだって。
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それって、より密な情報を教えてくれる事よね。将来のリスクなども詳しく開示してくれるなら、マンション購入も怖くないわね。
マンション購入を考えている夫婦の会話内容です。
デューデリジェンスの類義語
「デューデリジェンス」の類義語には、「マーケットリサーチ」「フィージビリティスタディ」「買収監査」などの言葉が挙げられます。
デューデリジェンスまとめ
「デューデリジェンス」はビジネス現場で収益やリスクなどの徹底調査をする事で、これまでは企業買収のM&Aや不動産投資などで使われてきた専門用語ですが、現在はこれら以外にも様々なメリットデメリットなどの調査として「財務デューデリジェンス」や「ITデューデリジェンス」といった形で応用されて使われています。かつては表に出る事がなかった情報を専門家が収集する事で、企業なら買収後の収益予想やリスク回避、個人でも不動産購入や不動産投資等で役立てる事ができます。