「トランスヒューマニズム」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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トランスヒューマニズム(Transhumanism)

「トランスヒューマニズム」という耳慣れない思想を掲げる政党が、2014年にアメリカで生まれました。よくあるただの過激派かと思いきや、この言葉は生命と科学技術という大きなテーマの融合を具体的、急進的に推し進めるものでした。今や世界でも数百万人が強い関心を持つというこの言葉は、一体どのようなものなのでしょうか。

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トランスヒューマニズムの意味とは

この言葉は、「トランスジェンダー」などでも知られるようになった「trans(超越する、向こう側に行く)」と、主義や思想を表す「ism」とを「ヒューマン」と組み合わせたもので、「人間を超える主義」とも訳せます。
具体的には、科学技術がその最も大きな要素であり、肉体とその技術を併用する、あるいは直接埋め込んでしまうことで、能力や知覚を向上させようとする試みをいいます。
例としてマイクロチップの埋め込みによる本人認証や各身体機能の補助、脳波を読み取って念じただけでロボットを動かす、あるいは逆に盲目の人に映像が直接見られるようにする、人体や脳を冷凍保存して長寿を実現する、など、我々の生活にすでに浸透しているものから、よく知らない人にとっては荒唐無稽とも思えるようなことがらまで多岐に渡って研究されており、トランスヒューマニズムを標榜する人々はそれを「進化」と呼んでいるようです。

トランスヒューマニズムの由来

この言葉の成り立ちは意外に古いもので、約100年ほど前にはすでに存在しており、概念自体はルネッサンス時代にまでさかのぼるといいます。
そして、まだまだ一般人には馴染みが薄いとはいえ、欧州の一部の国で導入されている人体へのマイクロチップの埋め込み(これは動物でも良く行われています)やAI、バーチャルリアリティなど、すでに広く認知ずみの分野をも含んでいますので、何もつい最近のぽっと出の新興トピックではないといえます。

トランスヒューマニズムの文章・例文

例文1.トランスヒューマニズムを、進化を超えて人が神に近付くことだと唱える人もいる
例文2.トランスヒューマニズムがもたらすとされる「進化」は、従来の生物におけるそれとは大きく隔たりがあり、単なる「改造人間」ではないかとする声も少なくない
例文3.人体に異物を埋め込んで強化する行為自体を冒涜だとする声もあるが、それならば義足やペースメーカーはトランスヒューマニズムと位置づけられるのだろうか
例文4.トランスヒューマニズムの行き着く先は、人間の完全な機械化ではないだろうか
例文5.科学は人類に大きく貢献しているし、自分の体をどうしようと個人の自由ではあるが、それでもトランスヒューマニズムは度をわきまえ、研究にも慎重を期さねばならないだろう
当然のことではありますが、無神論者かそうでないかに関わらず、「人体そのものを弄ぶ行為」と受け取る人々も多いようで、最近取り沙汰される「性の自由化」に勝るとも劣らない議論の種になっているようです。

トランスヒューマニズムの関連語

トランスヒューマニズムは『未来学』にも分類されます。これはその名の通り「あるものがこれからどう推移しどう変化していくのか、また予測される結果に対しての予備策はどんなものがあるか」を考える学問です。
またこの思想は政治にまで影響を及ぼし、近年アメリカでも『トランスヒューマニスト党』が結成され、党員の多くは技術者や科学者だということです。
トランスヒューマニズムが『不老不死』を実現するともいわれています。これは主に記憶や人格をデジタルデータに残す手法ですが、実現するかしないかはともかく、確かに人体を超越してしまっている、しかしそれは本当に不老不死といえるのか…?と疑問や議論が尽きない問題であり、解決にはまだまだ時間がかかることでしょう。

トランスヒューマニズム まとめ

SF映画や小説で目にするとこれほど楽しいものもありませんが、トランスヒューマニズムは現実に存在し、進められている大プロジェクトであり、そう考えると少々背筋が寒くなるのは不思議なものです。
「人類の幸福」についての思想であることは間違いないものの、深く知れば知るほど、その在り方を考えさせられる、非常に線引きの難しい概念ではないでしょうか。

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