ナグリ(なぐり)
「ナグリ」とは「舞台や演劇のセットを組み立てる際の必須道具である金槌」です。テレビ番組のスタジオや舞台のセットは豪華であったり独特の装飾なものが多く、それは裏方として組み立てる人達の努力の賜物なのでしょう。そんな業界ならではの専門用語である「ナグリ」の解説をさせて頂きます。
ナグリの意味とは
「ナグリ」の意味は以下の通りとなります。
(1)舞台や演劇用語で裏方スタッフが使用する金槌やハンマーの通称。
(2)演劇や芸能関係の業界用語で、テレビ番組のセットや舞台製作をする人達は釘を打つ大工道具の金槌やトンカチを「ナグリ」と呼ぶ。
(3)「殴り」とも書き同義。
「ナグリ」は大工道具「金槌」「ハンマー」「トンカチ」の事で、主にテレビ番組や舞台関係のセットを製作する人が用いる業界用語です。厳密には通常の金槌とは形が少し違っていて、叩く部分である”頭”が直角で柄も長くなっています。番組セットや舞台製作などでは組み立てだけでなくバラシもするので、スピード重視で作業をする為にこのような形になったとされています。類似として、ハンマーの一種には「玄翁」(又は玄能)(げんのう)もあり、これは叩く部分の片側が少しだけ凸状になっています。
ナグリの由来
「ナグリ」の由来は、釘を打ち込んだり抜いたりズレているものを調整するのに金槌を使う作業を「なぐりをかける」と呼んでいたので、それが次第に省略されて「ナグリ」になったとされています。
ナグリの文章・例文
例文1.先輩からナグリを取れと言われたが、入社して数日なのでまったく意味が分からなかった。
例文2.ナグリが無ければ舞台やセットを組み立てたりバラす事は出来ないので大事な商売道具だ。
例文3.不注意からナグリを無くしてしまい、上司からこっぴどく注意された。
例文4.不器用なのでナグリの使い方が下手くそで周囲に迷惑を掛けてばかりだ。
例文5.ナグリはただの金槌だが実に奥深くて、職人技をマスターしようと日々鍛錬を積んでいる。
金槌として「ナグリ」を使った例文です。
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ナグリの会話例
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じゃあ、そろそろ休憩を切り上げて現場に戻るか?
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そうですね。じゃあ行きますか? あれ、すいません。ちょっと待って下さい。
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どうした?
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私のナグリが見つからないんですよ。さっきはあったのに、現場に置いてきたのか…。
舞台製作の現場で働く男女の会話です。
ナグリの類義語
「ナグリ」の類義語には、「鉄槌」「才槌」「鎚」などの言葉が挙げられます。
ナグリの対義語
「ナグリ」の対義語には、「河童」などの言葉が挙げられます。補足として「ナグリ」は「金槌」の事で、「金槌」は「泳ぎが出来ない」という意味もあるので、対義語には「泳ぎが得意」となる「河童」になります。
ナグリまとめ
「ナグリ」は金槌・ハンマー・トンカチを指す舞台製作関係者が用いる専門用語です。厳密にはホームセンターなどで販売されている一般的な金槌とは少し形状が違い、釘の打ち込みや抜き差しなどがより素早くできるようになっています。