フェルマータ(Fermata)
「フェルマータ」とは「イタリア語の”停止”という意味から誕生した音楽用語や演奏記号で、演奏の長さを延ばしたり休止させる事」です。今の時代は音楽ストリーミングサービスが充実しているのでジャンルを問わず日常的に音楽を聴く人は沢山いるでしょうが、五線譜にある音楽用語や音楽記号(演奏記号)を理解している人はかなり少ないと思います。そんな中でも言葉としては有名な「フェルマータ」の解説となります。
フェルマータの意味とは
「フェルマータ」の意味は以下の通りとなります。
(1)西洋音楽の演奏記号で、楽曲に表情を付ける目的から演奏者が自由に音を休止したり長さを延ばして演奏するのが可能になる楽譜上の指示。そこから延長記号とも呼ばれる。
(2)イタリア語の「停止」や「(バスの)停留所」を意味する言葉が転じて、音楽用語や音楽記号として音符や休符を楽譜上の定量時間で延長される事。
(3)イタリアでは一般的には「コロナ」(corona)とも呼ばれ同義。
「フェルマータ」はイタリア語「fermata」となり、直訳すると「止まる」「停止」「(バスの)停留所」となります。それが転じて、現在は音楽用語や音楽記号として、拍子の運動が停止して音符や休符が延長される事と曲の区切りや停止の2つの意味となります。また、演奏の休止の長さは演奏者に一任されたり自由に解釈される事もあります。音楽に疎いとこのような解説でも理解に苦しむので具体的には、クラシックの定番曲であるベートーベンの「運命」では冒頭部分「ジャジャジャジャーン」の”ジャーン”に楽譜では「フェルマータ」が付いています。”ジャーン”と曲を延ばす事で、更にインパクトが上がり鑑賞者の心に訴えるようになります。しかし、いくら自由とはいえあまりにも延ばしすぎると間延びするので、その程よいバランスが要求されるのもまた事実です。よって、演奏者のセンスが試される音楽記号・演奏記号が「フェルマータ」なのです。
フェルマータの由来
「フェルマータ」の由来は同じくイタリア語で「止める」「停止させる」といった意味の「フェルマーレ」(fermare)とされ、それが音楽用語として音楽記号の「フェルマータ」になったとされています。
フェルマータの文章・例文
例文1.フェルマータはニュアンス的には一休みといったところだが、音楽ではそれが抑揚として大事な役割がある。
例文2.メリハリがある曲というのはフェルマータをここぞという場面で巧みに使うからである。
例文3.フェルマータはやる気になればいくらでも演奏を休止しても問題がない。
例文4.イタリア国内では一般的にはフェルマータはバス停なので、音楽用語ではコロナが使用される。
例文5.クラシックに造詣が深い友人に、フェルマータのインパクトがある曲をいくつか教えてもらった。
「フェルマータ」を使った例文となります。
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フェルマータの会話例
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このクラシック曲、凄くいいね。
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でしょう? 私も落ち込んでいる時にはよく聴くの。
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ここで、一瞬の静寂から一気に全ての楽器がバーンと奏でる瞬間が最高だね。
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それって多分、音楽用語でフェルマータって言う箇所ね。
クラシック曲を観賞中の会話となります。
フェルマータの類義語
「フェルマータ」の類義語には、音楽記号として「拍子」「ダ・カーポ」「ダル・セーニョ」などの言葉が挙げられます。
フェルマータまとめ
「フェルマータ」はイタリア語の「停止」などを意味する言葉ですが、そこから現在は音楽用語や音楽記号となっています。音符や休符を延ばしたり休止させる事で、演奏者の裁量判断で延ばしたり休止の時間を自由に決められるのが特徴ですが、一般的には音符長さの2〜3倍程度とされます。