プロバカートル(provocateur)
「プロバカートル」と聞いて、ピンと来るならかなりの博識雑学が豊富な方ですね。大抵なら、何の意味なのか見当もつかないものです。「プロバカートル」とは、犯罪行為における協力者やおとり等を意味しています。そんな犯罪や裏社会との関係性を示す言葉である「プロバカートル」について、詳しく調べてみました。
プロバカートルの意味とは
「プロバカートル」の意味は以下の通りとなります。
(1)不法行為を犯させる秘密の協力者。警察からの回し者。
(2)おとり、工作員、スパイ、密偵、おとり捜査官など。
(3)プロヴァカートル、プロヴォカートル、プロヴォカトゥールも同義。
「プロバカートル」は上記の様な意味で、これが「エージェント・プロバカートル」になると直訳は”おとり捜査”になります。意味合いはほぼ同じですが、警察などの捜査機関やその関係者(協力者)が、犯罪を犯しそうな者に接近し犯罪をさせるように誘導させ、その後逮捕する捜査方法です。日本ではおとり捜査が問題視され、警察も薬物犯罪以外は実行しないとされていますが、その実情は不明です。
プロバカートルの由来
「プロバカートル」という言葉はフランス語「provocateur」が元になっています。それは世界初のおとり捜査が19世紀のフランスで導入され、その後イギリスやアメリカに広まったからです。日本では、戦前の革命運動家を呼ぶ際やその系統の書籍などには「プロバカートル」と銘打ったものが多く、現在も一部の人々の間では特別な意味を含んでいます。代表的な書籍として、細田民樹「裏切者 プロヴォカートル」(1933年)、宮本顕治「プロバカートルにたいするボルシェヴィキ的処置についての二、三の注意」(1933年)などがあります。
プロバカートルの文章・例文
例文1.犯罪小説を読み漁り、プロバカートルの存在意義を深く考えさせられた。
例文2.日本ではプロバカートルを使って事件解決に導くのは不当行為とされるが、実際には警察の協力者は相当多いだろう。
例文3.海外ではプロバカートルが容認されるのは、それだけ犯罪が凶悪で組織だっているからだ。
例文4.スパイ映画を観ると、プロバカートルに将来なりたいと子供のように思ってしまう。
例文5.映画「007」や「ボーンシリーズ」も、プロバカートルの存在を世間にアピールしているようにしか見えない。
「プロバカートル」についての感想のような文章となります。
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プロバカートルの会話例
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いつでもスパイ任務や、警察からの秘密作戦に呼ばれても対応できるように、最近はジムに通って体を鍛えているんです。
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ハッ、とうとう熱でも出たの? スパイになるから筋トレ?
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もちろん半分冗談だけど、もしかしたらスパイとかに選ばれるかも知れないでしょう。だから、準備万端の為に鍛えているの!
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おとり捜査やプロバカートルに憧れる年頃なのかな? とにかく私以外には言わない方がいいよ。おかしな人だと思われて、スパイになる前に逮捕されちゃうから。
「プロバカートル」に憧れる男性と、それを一蹴する女性の会話です。
プロバカートルの類義語
「プロバカートル」の類義語には、「アジテーター」「諜報員」などの言葉が挙げられます。
プロバカートルまとめ
「プロバカートル」は、スパイ・工作員・おとり・おとり捜査官などを指す言葉で、要するに犯罪を犯させる協力者や警察からの回し者に該当します。スパイとおとり捜査官を同じ言葉にするのは無理がある気もしますが、その様な行為に幅広く当て嵌まる言葉と認識すると納得できます。