ホスピタリティ(Hospitality)
「ホスピタリティ」とは「サービス業だけでなく医療やビジネス現場でも求められる相手への配慮として、心の籠ったもてなし・歓待・サービス精神などの事」です。かつては「サービス」という言葉が使われていましたが、近年は「もてなし」から「ホスピタリティ」とするケースが増えています。東京五輪招致のプレゼンで滝川クリステルさんが「おもてなし」と発して流行語になったので、それからより行き届いた心遣いとして「ホスピタリティ」が、客商売だけでなくビジネス用語としても好まれています。
ホスピタリティの意味とは
「ホスピタリティ」の意味は以下の通りとなります。
(1)心の籠ったもてなし。歓待。歓迎。歓待の精神。
(2)心からのおもてなし。思いやり。サービス精神。
(3)「ホスピタリティー」とも言い同義。
「ホスピタリティ」はラテン語「hospitalitas」が発祥とされ、それが英語になりその後日本に入った言葉とされ、ですから厳密には欧米と日本では若干意味合いで温度差がある言葉になっています。欧米でも歓待・厚遇など相手をもてなす気持ちは一緒ですが、さらに人を喜ばせるなど「サービス精神」とする面が大きいです。日本の場合はさらに広げて、「心からのおもてなし」「思いやりを持ったおもてなし」となり、「究極の奉仕」と言っても過言ではないほどです。外国人旅行客などが絶賛するのが所謂日本流のおもてなしとしての気遣いが「ホスピタリティ」で、要はやらなくても良いのに気遣いとして自然のように行う事です。飲食店なら自分の店だけでなく隣近所の店前もついでに掃除をしたり、ホテルや旅館なら駐車場に従業員が並びお客を来るのを待ち構えていたり、荷物を持ってあげるなどの行為となります。日本の場合はお客様は神様という感覚が強くあり、その名残としてサービス業は過剰にお客を大事にしますが、それが廃れるどころか現在は医療や介護に営業的なビジネス現場などでも「ホスピタリティ」が社員教育として導入され、人との接客や対応に過敏になっています。使い方としては「ホスピタリティ精神」「ホスピタリティの気持ち」「ホスピタリティを志す」「ホスピタリティを持つ」といった形になります。因みに今では「日本ホスピタリティ検定協会」や「日本ホスピタリティ推進協会」もあり、社会全体でもてなしを目指す気概が高まっています。
ホスピタリティの由来
「ホスピタリティ」の由来はラテン語「hospitalitas」で、「hospitalitas」は同じくラテン語で異人・敵などの意味を持つ言葉「hospes」や「hostis」が発祥とされます。
ホスピタリティの文章・例文
例文1.捻くれて偏った性格だったが社会人となりホスピタリティの教育を受けて僕は大きく変わり、仕事中はお客様におもてなしを自然と出来るようになったが、その反動で人間嫌いは加速し休日は誰とも一切口を利かず家族とも疎遠になってしまった。
例文2.日本社会は経済発展を諦めホスピタリティに力を入れる観光立国を目指しているが、それでは三流国家に陥ってしまう。
例文3.医療現場は患者を思いホスピタリティを重要視しているがその裏では臓器移植も多くなっているので、笑顔でのもてなしの裏には遺族と病院側の臓器を巡るせめぎ合いが日夜行われている。
例文4.世界的に見ても日本ほどホスピタリティ精神がある国も珍しいと思うが、その割には掲示板には誹謗中傷が溢れ地方は村社会で都会からの移住民を嫌悪し、その田舎の若者はいつか都会に住み付きアーバンライフを夢想し今の境遇を悲観している。
例文5.何十年もまともに給料が上がらず物価高で苦しんでいる人々に、笑顔で歓迎しろともてなしを強要する役人根性のようなホスピタリティの精神が大嫌いだ。
「ホスピタリティ」についての例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
ホスピタリティの会話例
-
友人が入院しているからお見舞いに行ってきたけど、最近の病院は凄いね。
-
何が?
-
看護師の対応がまるでホテルマンのようで、細かな点にも配慮をしていて驚いたよ。
-
それが日本のホスピタリティよ。でも、やらされている当人は神経の休まる暇がなくて絶対に大変よね。
看護師の「ホスピタリティ」について男女が会話をしています。
ホスピタリティの類義語
「ホスピタリティ」の類義語には、「アテンド」「おもてなし」「特別サービス」「通常サービス」「過剰サービス」「気遣い」「手伝い」「フルサービス」などの言葉が挙げられます。
ホスピタリティまとめ
「ホスピタリティ」はお客や相手をもてなす事で、「歓待」「おもてなし」「思いやり」「サービス精神」といった意味合いになります。現在はサービス業など明確な客商売だけでなく、医療や介護にサラリーマンなどビジネス現場でも気遣いや作法として社員教育で導入される事が増えています。細かな配慮や気配りをマスターするのは望ましい一方、あまりにも過剰な「ホスピタリティ」は従業員とお客の双方が戸惑ってしまいます。