マイノリティ(minority)
たくさんの国や文化があり人種や宗教、考え方や身体的な特徴も人それぞれです。そのような社会で、これまでは何かを決める時に多数派の意見が採用されてきました。しかし単に多数の意見を採用することは危険だ、「マイノリティ」の意見も聞くべきだという論調も多く見られるようになってきました。ではこの「マイノリティ」について意味や使い方を詳しく解説していきます。
マイノリティの意味とは
英語表記では「minority」と書き、「少数の者」「少数派」という意味です。
社会的な人、集団、派閥などを指して使われます。
少数なので立場が弱く、偏見を持たれたり差別されたりすることがあるので「社会的弱者」という意味合いで使われる呼称でもありますが、必ずしも弱者を指しているわけではありません。ただ、人数としては少なくても圧倒的な権力や強い立場を持つ場合にはあまり使われない言葉です。
マイノリティの由来
欧米の「マイノリティーグループ(minority group)」の考え方を日本へ導入したものですが、日本語としてはグループは省かれ「マイノリティ」として浸透しています。
元はアメリカで黒人の公民権運動の際に使われた言葉です。
マイノリティの文章・例文
例文1.インクルーシブデザインというデザイン手法では、マイノリティな人々に注目することが必要不可欠である。
例文2.母国に住むのと違い、海外ではマイノリティな存在になるのでその土地の文化に合わせて生活をする必要がある。
例文3.ダイバーシティという考え方によって、マイノリティも積極的に採用される社会に近づいている。
例文4.日本では海外に比べLGBTなどのセクシャル・マイノリティへの理解が進んでいないという現状がある。
例文5.自動改札機は右利きの人が使いやすい設計なので、マイノリティな左利きの私には不便だ。
「実際の数の少なさ」というよりも「相対的に少数派」という意味なので、例えば100万人という沢山の人の意見でも、1億人の中では相対的には「マイノリティな意見」という捉え方をされます。
また「マイノリティオピニオン(少数派の意見)」というように、形容詞として他の語と組み合わせて使われる場合も多くあります。
マイノリティの会話例
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マジョリティの人が上手にマイノリティオピニオンを聞き出し参考に出来なければ会社であれ地域であれ様々なコミュニティの発展は遅れるでしょう。
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マイノリティーオピニオンはどう活かすべきでしょうか。
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マイノリティの意見を聞くことは新しい観点を見出だせるだけでなく、当然だと思われていた方針のリスクや改善策を見い出せるチャンスになります。
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単にマイノリティの人達への配慮をという訳ではなく、より良いコミュニティへの発展に必要ということですね。
セクシャルマイノリティの人ってマツコ・デラックスみたいな人のことでしょ?
通勤時間の電車は押しつぶされるほどの満員なので、まず毎日子供を会社まで連れて行けない。だから会社に保育所を作ったが誰も利用していない。
この例のように多様性を重視するようになってから、マジョリティの人達が浅い知識を元にマイノリティの人達を扱うことで新たな偏見や失敗を生む事例も出てきました。まずはよく理解を深めることが大切です。
マイノリティの類義語
類義語は「少数党、非主流派、マイナー、小勢」など。
マイノリティの複合語には「サイレント・マイノリティ、セクシャル・マイノリティ」などが挙げられます。
対義語は「マジョリティ=多数派」です。
マイノリティまとめ
SNSの普及の影響もあり、今まで多数派に押され埋もれてしまっていたマイノリティの意見が他の人にも伝えやすくなってきました。
そして多数派の意見に沿って作られてきた社会も多様性を認め、様々な意見を積極的に取り入れようといった方針に移行し始めています。
そんなこれからの時代において大きなキーワードの一つとなるのがこの「マイノリティ」ですので、ぜひ正しい意味を理解して活用してください。