モラハラ(モラルハラスメント、Moral harassment)
「モラハラ」とは今や、セクハラやパワハラやマタハラと並んで語られる事も多いハラスメントの一つです。モラルを付け足したハラスメントなので、言動や態度など精神的な嫌がらせ行為全般に当たります。中には自分は該当しないや無関係と思っていても、知らない間にあなたの言動などで相手が傷付いているなら「モラハラ」と認定されます。些細な一言や冗談のつもりでも、同僚や後輩や友人が酷く傷を負っているなら、それは反省しないといけないですよね。では、「モラハラ」の解説となります。
モラハラの意味とは
「モラハラ」の意味は以下の通りとなります。
(1)言動や態度で相手やその心を傷つける行為。
(2)直接的な暴力は一切ないが、言葉や態度で相手に嫌がらせをして苦痛を感じさせる。精神的暴力、精神的苦痛、言葉の暴力と呼ばれる。
(3)主に職場の上司と部下、夫婦間などの力関係が明確になる場合に発生する事が多く、殴るなど暴力はないが、その代わりに言動や態度で追い詰めたり、物を隠したり与えない、無視をしたり笑いものにするなど、相手に明らかな精神的苦痛を与えるDV(ドメスティックバイオレンス)に該当する。
(4)正式名称「モラルハラスメント」(Moral harassment)を略したのが「モラハラ」で、強引に直訳すると、道徳的に反した嫌がらせや迷惑行為となる。しかし、後術するが「モラルハラスメント」はフランス発祥の言葉なので、正しくはフランス語の「モラル」(精神)と「ハラスメント」(嫌がらせ)を合わせた「精神的苦痛」や「精神的嫌がらせ行為」が直訳として正しい。
「モラハラ」は上記の様な意味ですが、近年で何かと問題になっているのが、意外にも夫婦間の「モラハラ」です。それは、かつては職場における上司部下間のパワーバランスによるのが問題視されてきたのですが、現在はブラック企業や残業時間短縮など職場改善が叫ばれているのと同時に、職場には他にも社員がいるのでその第三者の目線があるので、あまりにも露骨な嫌がらせが出来なくなっているのです。内部告発もありますし、モラハラする上司も、さらに役職上の上司に告げ口をされたら降格などもあるからです。その代わり増えているのが夫婦間の「モラハラ」で、他人が入れない領域をいいことに、職場以上に深刻で悩んでいる方が大変増えています。モラハラ夫やモラハラ妻が多いのは、弁護士などに相談する件数からも顕著で、この状態が酷くなると暴力行為などにエスカレートするので、早めの対応が求められます。
モラハラの由来
「モラハラ」は、フランスの精神科医・マリー=フランス・イルゴイエンヌさんが提唱した言葉です。彼女が1998年に出版した「モラル・ハラスメント」が世界各地で出版されベストセラーとなり、それが日本でも評判となり現在に至ります。その中身は、肉体的な暴力は時として一時的であり周囲にも分かり易いが、精神的なハラスメントは長期に渡る傾向でそれは周囲が気付く難いと論じています。
モラハラの文章・例文
例文1.彼女は職場でセクハラをされたと怒っているが、一緒に暮らす同棲中の身としてはモラハラが酷く、交際を止めたいと思うほどだ。
例文2.モラハラをテーマにした新ドラマが始まった。
例文3.男女間にはモラハラが付きものだと、長年独身の叔父さんが説得力ゼロで語っている。
例文4.普段はおとなしいが、お酒を飲むとモラハラに変貌する男もいる。
例文5.モラハラは精神的苦痛なので、少しでも悪口などがクセとなっているパートナーなら今後の付き合いは考え直すべきだ。
「モラハラ」を使った男女間の関係についての例文です。
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モラハラの会話例
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結婚して何年ぐらい経過したのですか?
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そろそろ2年が経ったのかなー。
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じゃあまだ新婚みたいなものですよね。お幸せそうですよね!
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そう見える? それが、最近は夫が実はモラハラっぽくてちょっとイラッとする事も多いよ。小言が多い性格なんだと気付いてきたし、やっぱり結婚は我慢なんだねと痛感している。
結婚をしている職場の同僚女性が、旦那が「モラハラ」っぽいと愚痴をこぼしています。
モラハラの類義語
「モラハラ」の類義語には、「セクハラ」「カスハラ」「スメハラ」などの言葉が挙げられます。
モラハラまとめ
「モラハラ」は、暴力行為は一切ないが、その代わりに言動や態度で相手に苦しみを与える行為となります。精神的な苦痛を与える事から、最近はパワハラやセクハラと並んで問題視されるハラスメント行為と認定されています。近年は夫婦間の「モラハラ」から弁護士に相談するケースも増え、また他のハラスメントよりも被害者が声を出し辛く、また表面化し辛い点などから長期化する恐れもあります。