レバレッジド・バイアウト(leveraged buy out)
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いまやビジネスは国内に留まることなく、世界規模で拡大を目指していく時代となっています。厳しく激しい競争の世界で生き残るためには、企業価値を高めていかなければいけません。この価値を高める活動の一環として行われているのが企業買収です。企業が持つ資産や人員を丸ごと吸収することで、急速に競争力を高めることが可能となります。この買収手段の1つとして編み出されたのが、レバレッジド・バイアウトという手法です。
レバレッジド・バイアウトの意味とは
レバレッジド・バイアウトは、企業買収の手段の1つで、自己資本が少なくても成功の見込みがあります。これは自身の持つ債権や買収先となる企業の資産を担保として、金融機関などから莫大な資金集めを行うからです。つまり、借金による巨額の資金調達で行う買収劇で、成功した暁には、買収先の財産は約束に従い処分されることになります。メリットとしては、事業の再編成や不採算分野の切り離しによる効率化・資産の積極的な活用が可能となることです。ただし、買収先の資産価値が低下した場合、返済が上手くいかなくなり、莫大な借金を背負ってしまうリスクもあります。
レバレッジド・バイアウトの由来
1970年代のアメリカで、新しい企業買収の手法として生み出されました。レバレッジドにはテコの意味合いがあり、小さな力で大きなものを動かすという原理を示しています。当時はジャンク債と呼ばれるリスクの高い債券を元手に、巨額の資金を調達して買収に挑んでいました。小さな自己資金で大きな企業を買収し、利益を生むことができる特徴は、現代においても変わりません。
レバレッジド・バイアウトの文章・例文
例文1.レバレッジド・バイアウトを賢く活用して、自社よりも大きな企業を手に入れた
例文2.経済史の研究題材として、レバレッジド・バイアウトが作り出した功罪は興味深い
例文3.会社を大きくするため、レバレッジド・バイアウトでライバル企業を吸収したい
例文4.レバレッジド・バイアウトには成功したのに、買収先の資産運用に失敗してしまった
例文5.このレバレッジド・バイアウトは、買収先の活用ではなく、資産の売却益が目的だ
レバレッジド・バイアウトですが、その手軽さから企業の売却益を狙った投資活動としても猛威をふるった時代がありました。
当然ながら、企業の処分が目的ですので、そこで働いている従業員の権利は蔑ろにされることとなります。投資家の懐は温まりましたが、職場を失うことになる従業員にとってはたまったものではなかったのです。
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レバレッジド・バイアウトの会話例
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この事業もさらに大きくしたいな。なにかいい策はないかな?
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自己資本の少ない会社にレバレッジド・バイアウトを持ちかけるのはいかがでしょう。
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確かに競合他社も吸収することができるな…その方策で行こう。
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はい。ではそのように予算申請してきます。
企業の買収などでたくさんのビジネス用語が出てきますが、この言葉も意味もおさえておくほうが良いでしょう。
れバレッジド・バイアウトの類義語
類似とは言い切れませんが、「エンプロイー・バイアウト」という企業買収の手法があります。
これは従業員が自己資本や借り入れによって資金調達を行い、働いている企業に対して買収を仕掛けるというもの。小さな存在が力を集めて、大きな企業を手に入れるという形式が、レバレッジド・バイアウトに似ています。
レバレッジド・バイアウトまとめ
世界を舞台にしたビジネスは、今後ますます拡大していき、留まるところを知りません。交流が深まるほど、ビジネスチャンスは増えていきますが、同時に企業買収の攻防に巻き込まれるリスクも高まるはず。レバレッジド・バイアウトが行われるかは未知数ですが、企業買収の手段として、覚えておくのもいいのではないでしょうか。