一刀両断(いっとうりょうだん)
日常会話や歌詞の中に出てくる四字熟語はたくさんありますが、これもそのひとつです。しかし、その漢字からなんとなくイメージだけで理解している人も多いようですので、一刀両断の意味や由来、類義語なども併せてご紹介します。
一刀両断の意味とは
「いっとうりょうだん」と読むこの四字熟語は、「ためらわずに素早く判断を下す」という意味があります。まるで刀で木をまっぷたつに切るような、その判断の速やかで潔いさまを表しています。
一刀両断の由来
中国の故事成語の中に、儒学者である「朱子(しゅし)」の「自分の欲望を抑制するには、根源からの一刀両断にかぎる」という言葉があり、これが由来になったとされています。
漢字の「一太刀(ひとたち)で、真っ二つに斬(き)ってしまう」という様子から、転じて「物事を思いきって処理すること」や「ためらわずに決断すること」のたとえとして用いられています。
一刀両断の文章・例文
例文1.みんなが迷っていた旅行の行き先を、父が一刀両断して決めてくれた
例文2.クライアントからの無茶すぎた要求は、さすがに一刀両断をして断った
例文3.お小遣いを増やしてほしいと母に頼んだが、一刀両断されて終わった
例文4.学生時代の友人とは価値観が合わなくなったので、引っ越しをきっかけに一刀両断した
例文5.今まで続けてきた生活の無駄な習慣は、この際一気に一刀両断した
皆がなかなか言い出せない事をズバッと言ってくれたり、悩んでいることにきっぱり判断を下してくれた人の行動を指したり、また「古い関係を断ち切る」や「見事に解決する」ということを指して使うこともあります。
一刀両断の類義語
「一刀両断」の内容は幅が広く、捉え方によって様々な類義語があります。例えば「ものごとを見事に解決する」という意味で「快刀乱麻を断つ」は類義語になります。また「問答無用」は、「問答=問い答えのやりとり」「無用=要らない・禁ずる」という意があり、「意見をしたり文句を言うことは求めていない、してはならない」という意味で似ています。
一刀両断まとめ
日々起こる出来事の中には、迷ってしまいなかなか決められないことも沢山ありますが、時には誰かが思い切って決めないと前に進めないような場面もありますね。何かを断ち切るため、または先へ進めるために、人生には勇気を持って判断を下す力も必要なのだと思います。