一瞥(いちべつ)
「相手を一瞥した」と聞いて、悪いイメージを抱く人も現在は少なくありません。しかしそれは正答でもあり、誤答でもあります。厳密には良い意味も悪い意味もなく、動作を示すだけの言葉です。このように誤用とは言えなくとも、本来の意味とは異なる覚え方をされている言葉も数多くあります。ここではそんな言葉の一つである「一瞥」について解説していきます。
一瞥の意味とは
一瞥(いちべつ)とは、相手の事をひと目ちらっと見ることをいいます。自分が一瞥した、という使い方も相手が一瞥した、という使い方もできます。言葉の雰囲気や用法から相手をバカにしたり、軽視していたりと、相手に対して悪いイメージを持っている言葉として記憶している人が多くいる言葉です。しかし実際にそれは間違いで、一瞥はあくまでひと目見ることであり、その場の状況によっていい意味にも悪い意味にも変わる言葉でもあります。本来は特別にどちらの意味で使うという単語ではありません。
一瞥の由来
一瞥、という熟語は「一」(はじめ、ひとつ、わずか)という言葉と「瞥」(見る、ちらつく)という言葉でできています。直接まとめると、(相手を)わずかに・ちらりと見るという意味になります。瞥そのものに見るという意味があるため、わずかという言葉を使うことで更に時間の短さが表現されているのです。瞥一つでも機能する意味ではありますが、一をつけることで強調されることになります。
一瞥の文章・例文
例文1.一瞥しただけで、本物を見破る
例文2.こちらと目が合ったのに、一瞥されただけだった
例文3.名前を書きながら、受付に一瞥を投げる
例文4.一瞥して自分のものではないとわかる
例文5.一瞥もくれず立ち去る
ちらりと見る、という意味であることから、あまりいいイメージが湧かないという場合もあります。しかし前後の状況や言葉によって、非常に言葉の意味合いが強く変わってくることがわかります。悪い意味でも使える言葉ですが、いい意味としても、通常の動作として働くこともできる万能な単語なのです。「一瞥する」と、言葉を動詞にして使う場合の方が多くあります。
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一瞥の会話例
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ちょっと、昨日の番組収録の時先輩方にもスタッフにも挨拶しなかったって本当!?
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したけど
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だから、一瞥するくらいじゃ挨拶にならないって何度言ったらわかるんだ
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ていうかそれ直接私に言えばよくない?なんでマネージャーに言うの?意味わかんない
タレントとマネージャーのやり取りの中で一瞥という言葉を用いた例になります。
一瞥の類義語
同じちらりとみるという意味では「瞥見」という言葉があります。すばやく見る、という広い意味では「ちょっと見」や「ひと目」「一見」も類義語となります。
一瞥まとめ
相手を一瞥する、という言葉が、そっけない・バカにしているという意味には直接つながらないという事がわかります。どうしてもイメージで言葉の意味を理解しがちですが、言葉によってはイメージとは異なった意味を持っている事もありますので、注意して使う必要があるでしょう。