一石を投じる(いっせきをとうじる)
「一石を投じる」(いっせきをとうじる)は、昔は大手新聞の社説などで社会に対し問題提起を投げかけるイメージがありました。しかし、現在はそれよりもテレビで人気のコメンテーターや評論家が敢えて逆張りで反対意見を提唱したり、ネットでこれも批判覚悟で大局とは真逆の意見をする、話題狙いとして「一石を投じる」行動をしているように見えてなりません。本来はどのような意味や使われ方が正しいのか調べてみたので、紹介させて頂きます。
一石を投じるの意味とは
「一石を投じる」の意味は以下の通りとなります。
1.世間の反響を目的として、新しい問題や意見を提示する。
2.反響やその後の動きがあると狙い、問題提起をする。
3.石を水たまりや川など水面に投げ入れると波紋が広がるので、その例え表現。
端的に言うなら、影響力が絶大な有名人ほど、良い意味でも悪い意味でも発言の重みがあるので、「一石を投じる」効果が出やすいです。最近はネットやSNSなどが発達し、さらに広がりが早く、場合によっては炎上騒ぎとなる事もあります。しかし、名もなき一般人の投書や意見が、力となり人々や国、行政などを動かす事が稀ながらあるのも事実です。これこそ、本来の「一石を投じる」行為の威力となります。それでも、大半の一般人の発言や意見が継続的に「一石を投じる」事はまずありません。ネットの力で、一時は話題になっても、その後はすぐに忘れ去られます。水面の波紋は広がるのも早いですが、消えるのも早いので、その意味では「一石を投じる」は実に的確な表現となります。
一石を投じるの由来
意味で説明したのと同じで、水面に石を投げて広がった波紋が由来となります。小説家・細田民樹
による昭和5年に発行した「真理の春」には、「ともかくも静かな水面に一石を投じたのである」という一文が含まれています。
一石を投じるの文章・例文
例文1.学級会でイジメ問題について、一石を投じてみたが上手くいかなかった。
例文2.一石を投じる決意で、飲み会で上司に不満をぶちまけた。
例文3.一石を投じようと必死な評論家は多いが、それがワザとらしく感じる。
例文4.一石を投じるには、本人が有名になるなり信用される必要がある。
例文5.一石を投じると見せかけ、実は敢えて否定や不満発言をして炎上狙いとするのが、今のやり方だ。
本当の意味での「一石を投じる」と、最近はワザと問題提起をして、そこには有名になりたいや炎上目的とする手法として「一石を投じる」場合もあります。そんな例文の紹介となります。
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一石を投じるの会話例
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一石を投じるって、最近は悪いイメージもあるけど、本当は民主主義的な良い事なんだよね!
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そうだと思うよね。少数意見や大勢と真逆の意見を言う事で、その真実に気が付く時もあるしね。
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役所や行政も、市民からの一石を投じる声に反応し、それで動く事もあるよね。いや、思いたい。
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そうそう。だから、自由な意見を言える場があるのは良い事だから、個人レベルでもどんどん一石を投じるべきなの!
「一石を投じる」行動をするべき、という前向きな会話内容です。
一石を投じるの類義語
「一石を投じる」の類義語には、「物議を醸す」「波紋を投ずる」などの言葉が挙げられます。
一石を投じるまとめ
世間の反響、その後の行動などを期待して、新しい問題提起などをする事が「一石を投じる」となります。水面に投げた石によって広がった波紋が由来とされ、現在は誰もがネットやSNSの力で様々な意見を言い合える場が提供され「一石を投じる」のは可能となっていますが、その分建設的な議論に結びつくのかなどは別問題となります。