一票の格差(disparity in vote values)
2019年の7月21日には参議院選挙が行われました。その中でもやはり問題として度々取り上げられていたのが「一票の格差」の問題です。これは以前から言われており、徐々に是正されつつあるものの問題の解消とまでは至っていないのが実情です。
そんな「一票の格差」の問題について、その問題の意味や使い方、今後の見通しも含めて分かりやすく解説します。
一票の格差の意味とは
一票の格差の意味とは各選挙区における当選者1人あたりの有権者数と人口数が異なる事から、一票の持つ価値や意味、有権者一人あたりの価値が異なっている問題を指摘する言葉であり、これは1970年代から裁判などでも争われてきており、是正に向けたあらゆる動きはあるものの、今の所、抜本的な見直し・改善がなされていないのが実情です。
またこの問題が抜本的な改革が出来ない理由として、政党や議員、関係各所の利害が絡む非常に厄介な問題であり、選挙制度改革との兼ね合いもあり調整が各所に難航している事も理由としてはあげられるでしょう。
一票の格差の由来
一票の格差の由来は、1976年の東京高裁判決でこの様に言及がされ、多くのメディアが取り上げた事から、この言葉が生まれてきたと言えるでしょう。
『「投票の価値」とは、選挙人の投票する権利の価値を選挙人の側から評価した概念であると解することができるところ、それは、畢竟、選挙人の投票が自己の選出しようとする候補者の当選をもたらす可能性の度合いであるということができる』
また2009年を境に最高裁の判決にも変化が出てきており、それ以前は著しい格差のみを違憲としていましたが、現在は格差の是正を積極的に促す判決が多くなっています。
一票の格差の文章・例文
例文1.一票の格差問題において、有権者の政治への関心が高まる事を期待する。
例文2.最高裁の判決も一票の格差問題は2009年を境に大きな変化があった。
例文3.有権者からの強い声があがる事で一票の格差問題も大きく進展する可能性がある
例文4.現状では政党や議員への忖度から、一票の格差問題の調整が難しくなっている
例文5.問題の本質をしっかりと捉えて、一票の格差問題の解消に向けて議論すべきだ
既に約40年以上も裁判やメディアを通じて論じられている事柄ですが、いまだに抜本的な解決策がなく、遅々として進まない状況です。
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一票の格差の会話例
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選挙のたびに一票の格差の問題が取り上げられるよね。より民意が反映されると政治への不信感が拭えると思うんだけどね。
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なかなかセンシティブな問題であり、関係各所への調整・根回しが必要という点で日本の現在の政治を表している様な気もしますね。
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やはり強烈なリーダーシップを持った人が牽引する事で、今の停滞した空気を一掃してほしいな!
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強烈なリーダーの出現が期待されますが、国民は半ば諦めの冷ややかな視線で見ていますから、難しい所ですね。
やはり長きにわたり、解決されない問題により、国民の間での政治不信は根強く残っており、この問題に限らず信頼回復に努める事も重要ではないでしょうか。
一票の格差の類義語
一票の格差の類義語としてはマスメディアでは「一票の価値」と表記されることもあります。また裁判所の発表では「投票価値の較差」とされ、この問題の担当省庁である総務省は「投票価値の不平等」と発表しています。
一票の格差まとめ
一票の格差については、国政選挙の度に議論をされる点ですが、少しずつ是正がされている事もあり、多くの国民は静観しているという所でしょうか。ただ国民が声をあげて動かない限り、今のままという可能性も高いでしょう。若い人の政治参加を求める前に政治の透明性が確保される事を望みたいですね。