一連托生(いちれんたくしょう)
「一連托生」とは「極楽浄土の蓮の花の上で生まれ変わる事から、困難を共に乗り越えるなど一緒に行動をする事」です。使い勝手が良い言葉なので、なんとなく覚えてしまっているのが「一蓮托生」ではないでしょうか。リーダーが仲間に「俺達は最後まで一蓮托生だ」と煽ったり、悪さを働く代議士や権力者が不気味な笑みで「一蓮托生の関係」と口にするのは、映画やドラマなどですっかりお馴染みです。そもそも仏教とは善人だけでなく悪人も許し救うものなので、そこから、どうしても悪い事でも使える感じがあります。それでは「一蓮托生」の解説を始めさせて頂きます。
一連托生の意味とは
「一連托生」の意味は以下の通りとなります。
(1)良い行いをした者は極楽浄土に往生し同じ蓮の花の上で生まれ変わる事。
(2)仏教用語で極楽浄土の蓮の花の上で生まれ変わる事から、転じて、結果良し悪しに関わらず行動や運命を共にする事。
(3)最後まで運命を分かち合う。善悪の結果に関係なく一緒に行動をする。
(4)「一連託生」とも書き同義。
”一連”は「一つの連の花」「一連托生の略」、”托生”は「他の者に身を任せて生きながらえる」「この世に生を寄せる」で、元は仏教用語で同じ蓮の花で生まれ変わるのが「一連托生」です。そこから、運命を共にしたり目標に向かって一致する際に使われる言葉です。ですから、合言葉や気合の掛け言葉的な感もあり、仲間内で最後まで結束しようとして「一蓮托生でやろう!」といった風になります。チームプレイや集団で団結する際にもよく使われ、また失敗したら共倒れなので「運命共同体」とするニュアンスもあります。仏教用語でありやや難しい言葉という側面から大人が使う傾向が強く、特に悪巧みなどの場では定番の言葉となっています。政治家の違法献金なら議員や秘書は「一連托生」、総理と幹事長が国民感情を無視して政策を強行するのも「一蓮托生」など、一度悪事に走ったら地獄まで道連れ的なニュアンスも感じられます。逆に良い意味合いでも使われ、例えば困難な場で仲間を助けたり、デメリットの方が多いのに援助するなども「一蓮托生」でよくあるパターンです。
一連托生の由来
「一連托生」の由来は仏教の安楽の世界である理想郷「極楽浄土」で、この地の池には青・赤・黄・白の蓮の花が咲き、そこから蓮の花は象徴として生まれ変われると教えられています。
一連托生の文章・例文
例文1.半グレ達が詐欺に加担するのは地域に根付く先輩後輩コミュニケーションが始まりとされ、悪い連中の一連托生な連帯感はある意味強固で優秀だ。
例文2.世界はアメリカと中国のどちらと一連托生になるか、今が運命を左右する分かれ道に立っている。
例文3.政治家の胡散臭い一連托生は呆れて何も言えないが、それを許す間抜けな国民が一番の癌なのだろう。
例文4.沈みゆく最中の泥船企業だらけの日本で、物価や給与を上げると口にする総理だが、果たして一連托生となって本心から賛同してくれる人々はどれだけいるのだろうか。
例文5.マルチの親玉が会員を集めた集会で、「我々は一連托生、どんな時でも皆さんを大事にします」と声を張り上げ高揚感で包まれた後に、急いで福岡空港から海外に逃亡してしまった。
政治やマルチ商法などで「一連托生」を使った例文です。
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一連托生の会話例
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今日が結婚記念日だから、結婚して3年経過か。あっという間だったな。
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あなたが突然仕事を辞めたり、私が体調不良で入院したりと色々あったわね。
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これからも一つ、一連托生で頼むよ。
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こちらこそ一連托生でやっていきましょう。
結婚記念日を迎えた夫婦が、「一連托生でやって行こう」と気持ちを新たにしています。
一連托生の類義語
「一連托生」の類義語には、「同腹一心」「一致団結」「連帯責任」「共存共栄」「運命共同体」などの言葉が挙げられます。
一連托生の対義語
「一連托生」の対義語には、「分崩離析」「四分五裂」などの言葉が挙げられます。
一連托生まとめ
「一連托生」は仏教用語で極楽浄土の生まれ変わりという教えから、善悪に関係なく最後まで運命を共にする際の喩えです。仕事やスポーツのエール的な使い方から、悪い仲間と悪事を働く際にも用いられるので、強い絆を確認し合う言葉という感じがあります。