一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)
災難が連続する時ってありますよね。些細な災難でも、それが連続すると精神的にはダメージを負うものです。そんな時に使う諺が「一難去ってまた一難」で、長い言葉ながら語呂の良さもあり何かと使われやすく人気がある様に感じます。それでは「一難去ってまた一難」について解説をさせて頂きます。
この記事の目次
一難去ってまた一難の意味とは
「一難去ってまた一難」の意味は以下の通りとなります。
(1)一つの災いや災難が去ったら、すぐに次の災難が降り掛かる。災難が次々襲ってくる。
(2)新しい災難が連続してやってくる。ほっとする間もなく災難に襲われる。
(3)苦労が続き。心身を休める暇がない。苦労ばかりで安らぐ暇がない。
「一難去ってまた一難」は、”一難”が「一つの災難」「一つの困難」「一つの危険」、”去って”は「過ぎ去る」「遠ざかる」「無くなる」となるので、「一つの災難が消えても次の災難がやってくる」となります。これをさらに汲み取ると、「災難続き」や「苦労ばかり」に「安らぐ暇がない」とも解釈できます。因みに”一難”は「一難が去れば」「一難を逃れて」といった使い方もありますが、「一難去ってまた一難」として使う場合が圧倒的に多いです。他には「一難去ればまた一難」や「一難去れば一難来る」ともなり、同義扱いとなります。
一難去ってまた一難の由来
「一難去ってまた一難」の由来は、残念ながら判明していません。中国発祥であると推測できますが、有力な手掛かりも乏しく解明されておりません。文献としては、昭和初期を代表する小説家・横光利一の「家族会議」(1935年)に文言が記されています。
一難去ってまた一難の文章・例文
例文1.コロナ感染者が減少したと思った矢先に再び増加傾向になると、医療従事者だけでなく大勢が一難去ってまた一難と落胆した。
例文2.家族や身内にトラブルが続くと、一難去ってまた一難だと溜息ばかりが重くなる。
例文3.相談窓口の担当者として働いているので、クレーマーの多さから一難去ってまた一難どころではなく、常に災難が襲い掛かってくるような有様である。
例文4.新宿歌舞伎町の交番に勤務していた時は、全国一の歓楽街という事情もあり、それこそ一難去ってまた一難という状況の繰り返しで休まる暇がまったくなかった。
例文5.コロナ渦によって、一難去ってまた一難と感じる忙しい職場と、閑古鳥が鳴くような仕事と見事に二極化が鮮明になった。
「一難去ってまた一難」をコロナやトラブルなどに使った例文となります。
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一難去ってまた一難の会話例
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またスマホを無くしたんだって?
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そうなの。気が付いたら、どこにもなくて…。
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半年ぐらい前にも無くしたよね。っていうか、先月は酔っぱらって財布をどこかに置いてきて無くしたよね。
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本当、私って一難去ってまた一難って言うか、しっかりしてないんだよね。自分でも嫌になる。
職場の同僚女性があまりにも物を紛失するので、男性社員が呆れてしまうという会話です。
一難去ってまた一難の類義語
「一難去ってまた一難」の類義語には、「虎口を逃れて竜穴に入る」「弱り目に祟り目」「泣きっ面に蜂」などの言葉が挙げられます。
一難去ってまた一難まとめ
「一難去ってまた一難」とは、困難や災難が次々に押し寄せてくる事で、苦労が続き休まる暇がないという意味の言葉です。災難が去っても間髪入れずに次の災難が来るので、苦労が多い現代人などには当て嵌まる言葉ではないでしょうか。