三現主義(さんげんしゅぎ)
三現主義という考え方は、特にモノづくりにおいて重要な考え方です。しかし、最近では「三現主義は古い。今は〇〇主義だ」とも言われています。果たして三現主義とは何なのでしょうか?三現主義の意味や類義語を解説します。
三現主義の意味とは
三現主義とは「現場」「現実」「現物」の3つの「現」を大事にする考え方の事です。「現場」で「現物」を自分の目で見て「現実」を把握する、というところからあらゆる発展の切り口を得、問題解決を図っていくという姿勢を表します。
物作りや会社運営をしていると、上の立場の人間はついつい机上の判断で現場に物事を通達してしまいますが、実際には現場での生の声、現物の実際の問題から現実的な判断を導き出すべきであり、この三現主義をどれだけ徹底できるかで品質が保たれていきます。
社会に出ていると「上は現場の事を何もわかっていない」とぼやくシーンをよく見かけますが、それはまさに三現主義を棚に上げ、推測で判断を下している上司に問題がある典型例です。
三現主義の由来
三現主義の由来は「JIT生産システム」という「必要な物を、必要な時に、必要な分だけ供給する」という生産方式の流れにあります。
トヨタの社長がこのJIT生産方式を自社に摂り入れたことで有名になりましたが、JITの考え方に「3現3即3徹」(現場・現実・現物で3現、即時・即座・即応で3即、徹頭・徹尾・徹底で3徹)というものがあり、三現主義はそこからきているのです。
三現主義の文章・例文
例文1.三現主義を徹底したがゆえに、わが社は無事故記録を更新中です
例文2.三現主義は社会のあらゆる面で大事だ
例文3.教育の現場で三現主義が徹底されれば、生徒たちはもっと伸びる
例文4.三現主義を徹底しなかったばかりに、現場からの不評を買ってしまった
例文5.あの上司は信頼できる。三現主義を地で行く人だ
特に上の立場になると、現場を軽視しがち。下の者としては上司には三現主義を徹底してほしいものです。
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三現主義の会話例
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また生産ミスのクレームがきたらしい。もうこれで何回目だろう。
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だって、上が全然現場を見てないんだもの。人が少ないのにノルマは変わらず課すんだから、無理もないわよ。
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ほんと、現場で現実を見てほしいよ。そうすれば、きっと目が覚めるはずだ。
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三現主義は今でも本当だなと感じさせられるよ。
三現主義で会社が回ると、現場の人たちは働きやすくなります。逆に、苦しんでいる例も多いことでしょう。
三現主義の類義語
三現主義の類義語としては、前述した「三即主義」「三徹主義」があります。
また、最近では「三現主義は古い。これからは五ゲン主義だ」ともいわれています。現場・現実・現物に加え、原理・原則を加えた5ゲンです。単純に現場を判断基準にするだけでなく、そこに物事を成り立たせているメカニズム・法則である原理と原則を加えよう、というものです。
三現主義まとめ
ここまで三現主義について見てきました。常に現実的な対処をするためには必須の考え方ですね。