上前を撥ねる(うわまえをはねる)
「上前を撥ねる」とは、ビジネスではよくある出来事です。
「ピンハネ」という言葉の方がよく使われるかもしれません。慣例となってしまっているパターンもあります。
上前をはねられた側としては何か割り切れないもやもやしたものが残る・・・そんな言葉です。
この記事では、「上前を撥ねる」という言葉の意味や由来について見ていきます。
上前を撥ねるの意味とは
上前を撥ねるとは「賃金や代金の一部を、仲介料としてもらう」という意味です。
例えば、A社がB社に仕事を頼むとしますよね。ところが、B社は必ずしも自分でその仕事をするわけではありません。コスト削減のため、仲介料だけ受け取って仕事をC社に丸投げすることがあるわけです。
C社にしてみれば、A社から直接仕事をもらった方が儲かるのですが、しかしC社はB社を通じてしか仕事をもらうことができない・・・。結果、安く仕事を請けるしかないわけですね。
このような状況を「上前を撥ねる」と言います。
上前を撥ねるの由来
上前を撥ねるということわざの由来は、「上米(うはまい)を撥ねる」からきています。
江戸時代、民は年貢をお米によって納めていました。ところが、ある神社がその年貢米を運ぶ際に「通行料だ」として一部を自分の神社に納めさせていました。この時、年貢米の上の部分、「上米」を取っていたので、これが転じて「上前」になったといわれています。
上前を撥ねるの文章・例文
例文1.あいつに海外のネットショップで買い物を頼んだら、仲介料だと言って上前を撥ねられた
例文2.上前を撥ねてばかりでは取引先に良い思いをされない
例文3.上前を撥ねられるだけならまだ許せるが、やり方に意見を出されるのは我慢がならない
例文4.上前を撥ねることもなく、正当な値段で仕事をくれる良い人だ
例文5.上前を撥ねてばかりでなく、自分で苦労することも知ったらどうだ
上記のように使います。上前を撥ねられた側は、何かやるせない気持ちになりますね。
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上前を撥ねるの会話例
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今後、A社からの仕事は断ることにしたよ。
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え、そうなんですか?あんなに仕事を受注していたのに。
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かなり上前を撥ねられていたからね。ようやく、まともな価格で発注してくれるところを見つけたから、鞍替えするというわけさ。
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それは良かった。これで、社員の待遇も改善されればいいのですが・・・。
上記では、上前を撥ねるという言葉をビジネスシーンで使っています。一度できあがった構造はなかなか是正するのは難しいものです。
上前を撥ねるの類義語
上前を撥ねるの類義語は「ピンハネする」が一番適切でしょう。ピンハネも上前を撥ねると同じ使い方をします。不当に仲介料をかすめ取ることを言います。
上前を撥ねるまとめ
ここまで、「上前を撥ねる」という言葉について見てきました。一般的にはピンハネの方が広く使われている印象です。