上座(かみざ、かみくら、じょうざ)
職場の忘年会シーズンが近付くと、幹事は店選びだけでなく、上司をどこに座らせるかの「上座」についても頭を痛める事がありますよね。何人も上司がいれば、力関係などで尚更です。「上座」と対になるのが「下座」であり、この二つを同時に覚えてしまえば、逆に言うと幹事になっても怖いものなしです。それ以外にも、日本は何かと縦社会であり、ビジネス上でも最低限のマナーを要求されるので、その席でも重宝する事間違いなしの「上座」について調べてみました。
上座の意味とは
「上座」の意味は以下の通りとなります。
(1)社会的立場や地位が上の者が座る席。上位の立場が座るよう設けられた席。
(2)目上、お客、上司など立場が上の者が座る心地よいとされる席。
(3)入口から遠い席、席の正面、舞台なら客席から見て右側。
(4)一般的には”かみざ”や稀に”かみくら”と読むが、仏教用語では”じょうざ”と読み、指導する立場となる地位が高い僧を指す。
「上座」は上記の様な意味ですが、通常はビジネス上のマナーや常識として身に付ける言葉となっています。社会的な立場が上の人を接する時、或いは上司や先輩やお客様、また家族間でも父親や兄に対しては「上座」として扱います。逆に年下、後輩、部下、接待する側が座るのが「下座」です。通常の部屋なら、入口から最も遠い席や人目で豪華と分かる席、絵が掛けられているなら見やすい席が「上座」で、入口から近い席などが反対に「下座」です。これは部屋だけでなく、車やエレベーターや会議室などでも決まっているので、それぞれの状況に応じて対応するべきです。居酒屋など難しい場合は、入口側から若い部下などが座るようにすれば、必然的に「上座」が残るようになります。
上座の由来
「上座」の由来は、室町時代の「書院造」に関係があります。”書院”とは書斎を兼ね備えた居間(床の間)であり、棚や障子があるのが特徴です。「床の間」の”床”には、当時は貴族など身分が高い者が象徴として、座る席や寝る場所を高くしたのが始まりとされています。次第に高くするのが入口から遠い場所にする様になり、現在の「上座」や「下座」の関係性に繋がります。
上座の文章・例文
例文1.入口が何ヵ所もあるフードコートの上座選びは、難解で頭を痛めてしまった。
例文2.年上の後輩と食事をする時は、上座にどちらが座るべきか悩んだ。
例文3.上座や下座は、同級生同士でも力関係が如実に表れるので厄介だ。
例文4.上座の前にはご馳走を並べるように、店員に指示を出した。
例文5.お客様を上座に案内したら、逆に謙遜され席の譲り合いが起こってしまって苦笑いをした。
「上座」を使ったよくある文章例です。
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上座の会話例
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男性と女性でも、上座や下座ってあるのかな?
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そんなの今時ないでしょう。男女平等だよ!
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そうじゃなくて、若い男女がデートをしていると、お店では女性が上座に座る場合が多くない? でも、夫婦っぽく見える男女は逆に男性が上座に座っていない?
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若い男女の場合は、女性が良い席に座るのは多いような気がする。多分、レディファーストが関係しているのかな。
男女間における「上座」や「下座」についての会話です。
上座の類義語
「上座」の類義語には、「上席」「坐上」などの言葉が挙げられます。
上座まとめ
「上座」とは、仏教用語や舞台用語という面もありますが、一般的には社会人としての常識やビジネス上のマナーとして使われます。上司や先輩や父親など目上の人やお客様などを、より良い席に座らせ気持ち良くなってもらい、その場を滞りなくもてなす側面が強いです。飲み会などの部屋だけでなく、車内や会議室やエレベーターなど実は「上座」と「下座」が明確に分けられているので、覚えておきましょう。