不分明(ふぶんみょう)
「不分明」とは「明らかではない、はっきりしないという曖昧を表現する言葉」です。気弱な人は物事を曖昧な態度にするイメージがありますが、「不分明」は強気に不明と答えている感じがしませんか? もちろん捉え方次第ですが、どこか判断できないのは仕方がないと押し通す我の強さがあるように思えます。そんな「不分明」についての解説となります。
不分明の意味とは
「不分明」の意味は以下の通りとなります。
(1)明らかでない。はっきりしない。分明ではない。不明。
(2)明白ではない。物事が曖昧で明確な区別が難しい。
(3)「ふぶんめい」とも読む。
”不”は「…をしない、…ではない等々の否定を表す語」「良くない」「悪い」、”分明”は「明らか」「はっきりしている」で、明らかやはっきりな状態を否定しているのが「不分明」です。従って、明らかではないやはっきりしないという意味になり、ある物事の判断をするのが難しい時などを「不分明」と言います。使い方としては断定するように「不分明だ」「不分明である」、不確実ながらに「不分明なので」「不分明になりつつ」といった形があります。
不分明の由来
「不分明」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代の古文書「近江葛川明王院文書」(1280年)などに文言が記されています。
不分明の文章・例文
例文1.音楽を事細かくジャンル分けするのは無意味で、それこそ不分明とする方が自然である。
例文2.政権のカルト対策はこれまで不分明だったが、最近の支持率低下に危機感を抱いたのか方向転換を図り始めた。
例文3.少年Aの事件記録を廃棄した理由は不分明とされるが、実は単純に当時の担当裁判官が出世して不都合な部分が露わになるのはマズいと己の権力を使って処分しただけで、この一点からも日本の腐った司法制度が垣間見れる。
例文4.ワクチンの有効性は不分明ではないかと少しでも疑問を投げかけると、政府御用達のお偉い病院の先生が一斉に火消しに走り問題ないと断言するが、彼等は本当に発言に責任を持っているのか不思議でならない。
例文5.カルト宗教を擁護する司会者は、その言い分が世間から共感を得られない不分明なものでも状況が悪くなれば「お笑い芸人だから」という逃げ道が用意してあるのは腑に落ちない。
「不分明」を使った例文となります。
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不分明の会話例
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そういえば今日は定例会議だよ。面倒だわー。
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うちの会議ほど無意味なものはないですよね?
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本当だよ。具体的にはどうするべきかというものがなく、いつも問題先送りの不分明で終了するからね。
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一度ぐらい会議をしないで決算期を迎えて、売上がどうなるか検証すれば面白いと思うのに…。
職場の会議に不満が募る同僚男女の会話です。
不分明の類義語
「不分明」の類義語には、「不明瞭」「曖昧」「漠然」「灰色」「曖昧模糊」「有耶無耶」「おぼろ」などの言葉が挙げられます。
不分明の対義語
「不分明」の対義語には、「明確」「明瞭」「確然」「確実」「確定」「判然」などの言葉が挙げられます。
不分明まとめ
「不分明」は「明らかではない」や「はっきりしない」という意味です。物事が曖昧であり確実な判断ができない事で、要するに確かでない様を強く示したい時などに好んで使われる表現です。ハッキリしたい性格ならあまり納得できない表現ともなりますが、逆に言うなら不明であるとはっきり示しているとも感じ取れます。