「不憫」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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不憫(ふびん)

「不憫」と聞くと、私はマッチ売りの少女を思い浮かべます。どこか薄幸でかわいそう。けれど、「かわいそう」とはっきり言うのではなく、より微妙ないたわしさが入り混じった言葉が「不憫」です。不憫は英語では表現しきれない、日本語の妙ともいえる言葉です。そんな不憫について、意味や使い方、昔使われていた時の意味などをまとめてみました。

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不憫の意味とは

まず不憫の意味ですが、現代では「かわいそうなさま・あわれむこと」となります。読み方は「ふびん」です。
「不憫な子だね」「不憫でならない」など、痛々しくて胸を痛めるような様子ですね。直接「かわいそう」と表現するより、なんだか消え入りそうで薄幸なイメージがあります。ところが、元々の由来を調べてみると面白いことがわかるのです。

不憫の由来

ここからは不憫の由来です。実は昔、不憫は「不便」と書いていました。「不便」といえば「便利じゃない、都合が悪い」というような意味。なぜ不憫となったのでしょうか?
そもそも不憫は「不」(否定形)と「憫」(かわいそう)という二文字から成り立っています。ところが、「かわいそう」を否定すると現在使われている不憫の意味が成り立ちません。
実は、「憫」は当て字であり、元の字は「不便」つまり「便利・都合よい、具合がいい」を否定する言葉だったというのです。
古文でも「ふびんなり」という言葉が「不都合」「かわいそう」「具合が悪い」というような意味合いで使われています。
「都合が悪い、具合が悪い」から転じて「かわいそう」へと通じたのでしょう。「かわいそう」は「かわいい」とも通じる言葉。単純な哀れみではなく、そのかわいそうな様子へのいとおしさや切なさを持ち合わせるのが不憫という言葉だと言えます。

不憫の文章・例文

例文1.殺処分されるペットが不憫でならない
例文2.学芸会で不憫な役柄を見事に演じていた
例文3.泣いている子供を不憫に思う
例文4.アトピーだから食べるものを制限せざるを得ず、不憫な思いをさせている
例文5.実に不憫な様子だ
例文でもあるように、「不憫でならない」「不憫に思う」などの使い方ができます。かわいそうでたまらない、という表現ですね。

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不憫の会話例

  • 世界ではいまだに餓死する子供たちが大量にいるんだね。

  • 私たちは日本で贅沢に暮らしているけれど、そのような子たちのことを考えると、不憫でならないわ。

  • かわいそうに思っているだけでは偽善者だ。僕たちも何かしようじゃないか。

  • そうね。一緒に何かやりましょう。

上記の会話では、食糧問題について話しています。自分ではどうしようもない状況の中で飢えている子供たちは、とても不憫な存在です。

不憫の類義語

不憫の類義語を見てみましょう。近い意味の言葉として「同情」「憐憫」「哀れみ」などがあげられます。どの言葉も、不憫よりあわれみの気持ちが強く表現されています。

不憫まとめ

どうだったでしょうか。不憫の元の言葉が「不便」だったとは驚きですね。言葉の古い意味を調べると、よりその単語が複雑な色合いを帯びてくるから不思議なものです。

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