事業化集団(じぎょうかしゅうだん)
｢事業化集団｣とは｢同年代の若者を勧誘する手口で被害者が続出しているマルチ商法の悪徳ビジネス組織｣です。勧誘の仕方が甘い言葉で誘われると疑っても、最初の出会いが偶然や友達のように自然に入ってくると、どうしても警戒心は薄れてしまうものです。特に上京したばかりやコロナ禍で友達との付き合いが少ないと尚更、寂しさから人を信用してしまいます。そんな巧妙な手口で近年勧誘者を増やし、同時に被害者も相次いでいるのが｢事業化集団｣と呼ばれるマルチの脱法組織です。
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事業化集団の意味とは
｢事業化集団｣の意味は以下の通りとなります。
(1)ネットワークビジネスなどを謳い若者を勧誘するマルチ商法の詐欺的グループで、マインドコントロールを駆使するなどカルト宗教的な手口も取り入れた最新の悪徳ビジネスの組織名。
(2)都会の若者などをターゲットに勧誘をする脱法マルチ組織で、言葉巧みにセミナーへの参加や自己投資を呼びかけ数十万円を騙し取られた被害者が全国に続出している。
｢事業化集団｣は違法勧誘を繰り返す組織的なマルチ商法の団体です。2022年6月上旬時点ではまだ解明されていない点も多いですが、生活用品などをマルチ商法で販売する｢アムウェイ｣と良く似たシステムの会社｢モデーアジャパン合同会社｣の日本代理店的な役割をした会社｢ワンダーランド｣が名称を変更して｢事業化集団｣になりました。これも正確には｢事業化集団･環境｣｢事業化集団･チーム｣といったようにねずみ講･マルチ商法的組織によくあるピラミッド構造で、全体像を掴めさせずネット検索を惑わす為に｢事業化集団〜｣と後に続く名称をその都度変更しているようです。なぜ｢事業化集団｣が急激に社会問題になったのかというと、それは巧妙なメンバー勧誘方法にあります。これまでの｢アムウェイ｣や｢モデーア｣は勧誘時に自分達が｢アムウェイ｣等であると明かし、その代わりに素晴らしい商品があるや販売すれば儲かるといった甘い言葉を使うので、友達や知り合いを頼って勧誘を続けるのが主だった方法でした。しかし｢事業化集団｣の場合は一番下のメンバーである若者が東京など都会の駅や繁華街などで、同年代の若者にサークル的な勧誘として声を掛けるのです。所謂、巷で話題になった｢なぞの声かけ｣と呼ばれるもので、意気投合すれば居酒屋で酒を飲むなど友達的に最初は接します。時には合コンスタイル、1人でいる男性に女性2人で声を掛けるなど実に上手いやり方で、徐々に打ち解けると同年代同士なら将来は成功したいやお金を稼ぎたい、現在の仕事に不満があるといった話題に自然となるものです。すると、今度は(高額な支払いとなる)パーティーやセミナーに参加するよう求めて、次第に気が付けばどっぷりと｢事業化集団｣の策に嵌まってしまい抜け出せなくなるのです。また、中田敦彦･押切もえ･りんごちゃんといった有名芸能人も｢事業化集団｣と関わり深いので、彼等のインタビュー動画などが勧誘に役立ったと考えられます。このようなやり口以外にも、｢事業化集団｣の上層部メンバーである師匠と呼ばれる成功した経営者に合わせて入会を募ったり、｢アムウェイ｣的に高額美容商品を購入させられたりと、高額な入会金支払いや商品購入のトラブルを巡って被害者は全国に続出しています。
事業化集団の由来
｢事業化集団｣の代表というか実質的なトップとされる人物は嶋村吉洋という人です。この人は2006年頃からソーシャルビジネスコミュニティ｢ワクセル｣を始め、｢モデーアジャパン合同会社｣の日本代理店｢ワンダーランド｣の代表取締役を経て｢事業化集団｣を立ち上げたようですが、まだ解明されていない部分もあり詳細は謎のままです。
事業化集団の文章・例文
例文1.事業化集団の被害者は多いが、実体があまりにも巧妙で複雑化しているので、どれを事件化できるのか警察でも意見が分かれると思える。
例文2.久しぶりに新宿駅前に行ったら見知らぬ女性から声を掛けられ、｢逆ナン｣だと喜んだら事業化集団だと知りがっかりした。
例文3.若い人は好奇心旺盛だから事業化集団にもあっさり引っ掛かってしまうのだろう。
例文4.毎月何十万も事業化集団に献金をするよりも、自分で投資や事業を始めた方が良いと思えないのだから、騙される方も頭はお花畑なのだろう。
例文5.師匠に合わせると言われて喜ぶ若者がいる以上、事業化集団のやり方は今度も継続されるだろう。
｢事業化集団｣についての例文となります。
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事業化集団の会話例
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昨日の渋谷駅前、いかにも事業化集団のメンバーがいて怖かったー。
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何、声掛け現場目撃したの？
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最初はナンパかと思ったけど、次々声を掛けるから怪しくてね。でも、俺を無視するんだよ。軽くショックだったよ。
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あんたはマスクもしないし、風呂も入っていない。それにお金が持っていない貧乏顔をしているから、事業化集団からもお断りなのよ。
渋谷駅前での｢事業化集団｣の勧誘現場を目撃したという会話です。
事業化集団の類義語
｢事業化集団｣の類義語には、｢ねずみ講｣｢カルト｣｢勧誘セミナー｣｢マルチ商法｣｢ナリス化粧品｣｢アムウェイ｣｢ネットワークビジネス｣などの言葉が挙げられます。
事業化集団の対義語
｢事業化集団｣の対義語はありません。補足として”マルチ商法(マルチレベルマーケティング)”の対義語は｢シングルレベルマーケティング｣です。｢シングルレベルマーケティング｣はメーカーから小売りを通して消費者に届く一般的な販売法となります。
事業化集団まとめ
｢事業化集団｣は限りなくグレーで怪しいマルチ商法の組織です。メンバーである若者を使って駅前などで同年代を勧誘し、ネットビジネスなどの高額セミナーや生活用品などを売り付けられ騙されたと訴える被害者が続出しています。代表者は嶋村吉洋、その下には師匠と呼ばれるリーダーや経営者的な役割の人物がいますが、組織名その都度変更したり渾名で呼び合うなど実に巧妙なのでその全容を掴むまでは至っていません。しかし、カルト宗教的なやり方を導入するなど、従来の｢アムウェイ｣的なマルチ商法をさらに悪質にした組織を見過ごしたままにするとは思えず、何れは法の裁きを受けるでしょう。