二律背反(にりつはいはん)
「二律背反」という言葉をご存知でしょうか。もともとは論理学の用語として使われていた言葉ですが、私たちの生活では、ある言葉に言い換えられてよく使われることがあります。今回はその「二律背反」について詳しく解説していきたいと思います。
二律背反の意味とは
「二律背反」とは、正命題と反命題のどちらにも証明できる矛盾を表します。「矛盾」や「パラドックス」が、「二律背反」の同義語として私たちの生活ではよく使われます。
二律背反の由来
「二律背反」の「律」とは、物事を判断する際の基準となるものを意味します。二つの「律」が背反(道理に背く)することから、「二律背反」という言葉が生まれました。
二律背反の文章・例文
例文1.コストの削減と品質の向上を同時に目指すのは二律背反しており、実現が難しいものである。
例文2.二律背反する上司からの指示に、部下達は毎度辟易としている。
例文3.二律背反とは、元は論理学用語として使われていたものである
例文4.子は親に二律背反する感情を持つものだと言われている。
例文5.「パラドックス」や「矛盾」は、二律背反と同じ意味を持つものとして使用されるが、厳密には違うものである。
厳密に分けると多少の意味の違いはありますが、私たちが生活の中で使う分には、「矛盾」と同義語として使用しても問題はなさそうです。
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二律背反の会話例
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Y君の、「僕は嘘しか言わない人間なんだよ。」ていう発言は矛盾していると思うんだけど、結局どっちなんだろうね。
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確かに、二律背反してるよね。
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嘘しか言わないということは、その発言は嘘だから、正直者ってこと?
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でもそうだとしたら、正直者が「僕は嘘しか言わない」って言っているなら、彼は嘘つきなのかも。二律背反していると答えが出せないね。
一つの発言から二通りの解釈ができるけど、その二つが両立できなくなってますね。これがまさに「二律背反」です。
二律背反の類義語
二律背反の類義語としては、「ダブルスタンダード」「パラドックス」や「ジレンマ」が挙げられます。
二律背反まとめ
「二律背反」という言葉をを私たちの生活に取り入れるのであれば、厳密には小さな違いはありますが「矛盾」や「パラドックスの」言い換えとして使用しても問題はなさそうです。「小さな投資で大きなリターンを!」このよくある誘い文句も、ある意味二律背反のようなものなので、基本的にはなし得ないものとして理解しておいた方が良さそうですね。